レポート

人手不足倒産の動向調査(2026年度上半期)

人手不足倒産は225件 年度上半期として4年連続で過去最多を更新 建設業・サービス業で増加傾向

株式会社帝国データバンクは、従業員の離職や採用難等による人手不足を要因とする「人手不足倒産」の発生状況について調査・分析を行った。

SUMMARY

2026年度上半期の人手不足倒産は225件となり、前年同期を11件上回り、4年連続で過去最多を更新した。業種別では、職人不足が続く建設業が最多となったほか、AIなど技術革新への対応人材を確保できない受託開発ソフトウェア業も大幅に増加した。今後は、高度なスキルを持つ人材の採用・育成に加え、最低賃金の上昇などに伴う人件費高騰への対応が事業承継の焦点となる。

集計期間:2026年4月1日~2026年9月30日
集計対象:負債1000万円以上・法的整理による倒産


26年度上半期の人手不足倒産は225件、4年連続で最多更新

従業員の退職や採用難、人件費高騰などを原因とする人手不足倒産(法的整理、負債1000万円以上)は、2026年度上半期(4-9月)に225件発生した。前年同期(214件)から11件増加しており、集計を開始した2013年以降、4年連続で過去最多を更新した。

業種別では、職人不足が慢性化している建設業が70件(前年同期比+17件)で最も多かった。「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」(帝国データバンク)によると、建設業は金融業に続いて人手不足を感じている割合が高い。静岡県の屋根工事業者では、従前から厳しい収益環境が続いていたなか、複数の現場を取りまとめていた社員の独立や、施工にあたって必要な資格を持つ社員の退職が重なったことで営業活動が困難な状況に陥り、自己破産を申し立てた。また、人件費の高騰によって資金繰りがひっ迫し、最終的に事業継続を断念するケースが複数みられた。

次いでサービス業が63件(同+6件)で続き、なかでも高度なスキルを持つ人材の獲得競争が激しい受託開発ソフトウェア業は8件(+6件)となり、増加が目立った。販売管理システムの開発を手がけていた愛知県の企業では、資金面の問題から人材の採用・育成に着手できない状態が続いていたなか、近年のAIやノーコードツールの台頭に対して自社開発の対応も追い付かず、事業継続を断念する一つの要因となった。

今後も引き続き、人件費高騰への対応が焦点となる。2026年度の最低賃金は前年度から56円上昇し、全国加重平均で1177円に決定された。政府は、最低賃金を「遅くとも2030年代前半のできる限り早期」に1500円へ引き上げることを掲げており、より優れた人材の獲得競争に向けて、賃上げの流れは今後も続くことが予想される。資材・エネルギー価格など各種コストは高止まりするなか、価格転嫁や生産性向上によって人件費の増加を吸収して安定した収益を確保できるかが、事業継続に向けた分岐点となるだろう。

人手不足倒産の動向
261007_人手不足倒産の動向調査(2026年度上半期)

Contact Usお問い合わせ先

担当部署

株式会社帝国データバンク 情報統括部 TEL:03-5919-9341 Email:tdb_jyoho@mail.tdb.co.jp