レポート

全国「老舗企業」分析調査(2025年)

日本の「老舗企業」全国に4万6708社 ~ 老舗企業の7割が製造・卸売・小売 目立つ醸造系業種 ~

2026/03/27

SUMMARY

2025年12月時点で業歴100年を超える老舗企業は4万6708社。老舗出現率は3.11%となった。都道府県別にみると、京都府がトップで、山形県、新潟県が続いた。市区郡別でみると、上位10地域で、老舗出現率が10%を超えた。業種大分類別では、製造業が最も多く、次いで小売業、卸売業の順となった。業種細分類別でみると、老舗企業数で貸事務所業、老舗出現率では清酒製造業がトップ。2026年も2000社程度が新たに老舗企業に加わるとみられる。

帝国データバンクが保有する企業概要ファイル「COSMOS2」(2025年12月時点、約150万社収録)に加え、独自で収集し、営業の実体が確認できた企業を基に、創業・設立から100年以上の企業を「老舗企業」と定義し、分析を行った。
創業時が元号・時代のみ判明している場合には、各元号・時代の最終年を創業年として集計した。

全国に老舗企業は4.6万社、老舗出現率が3%超に

2025年12月時点で業歴100年を超える老舗企業 は、4万6708社を数えた。現在のNHKがラジオ放送を開始し、普通選挙法が公布された1925年(大正14年)に創業した約1900社が老舗企業に加わった。全国における老舗企業の割合を指す「老舗出現率」は3.11%と、初めて3%を超えた。

老舗企業数 推移

老舗企業約4.6万社のうち、業歴200年以上が1836社、300年以上が905社、500年以上が47社となり、そのうち、日本最古の企業として有名な金剛組(578年創業、大阪府)を筆頭に「業歴1000年企業」は11社を数えた。元号別にみると、江戸幕府が開府した1603年以前に創業した企業は178社で、江戸時代に創業した企業は3480社、明治時代は2万2070社、大正時代が2万980社となっている。

老舗企業 時代/業歴別

京都府が5.45%でトップ、全体を上回るのは23府県

全国の老舗出現率を都道府県別にみると、京都府が5.45%でトップだった。古都として栄え、第二次世界大戦中の被害が比較的小さかったことが老舗企業の存続につながっていると考えられる。「酒どころ」の山形県、新潟県が続き、3府県が5%を上回った。そのほか、日本海側の地域を中心に5県が4%を上回り、全体の3.11%を上回ったのは23府県だった。

一方で、大都市圏は低水準となり、東京都は2.32%、大阪府は2.30%、愛知県は2.95%だった。そのほか、九州エリアでは軒並み老舗出現率は低く、沖縄県は0.17%にとどまる。なお、同県内の老舗で最も多い業種は「蒸留酒・混成酒製造」の11社で、泡盛の製造を手がけている。

また、 老舗出現率を市区郡別でみると、10%超の地域が10地域あった。そのうち、19.20%と突出して高かった京都市東山区など、4地域が京都市内だった。そのほか、千葉県からは漁業が盛んで歴史的な朝市がある勝浦市と、しょう油の名産地である銚子市が上位に入った。

老舗出現率 都道府県別/市区郡別上位10地域

老舗企業の7割が製造・卸売・小売 清酒製造業が9割超

判明している現在の業種別にみると、最も多いのは製造業で老舗企業全体の24.4%を占めた。次いで、小売業(22.2%)、卸売業(21.2%)となり、7割近くを占めている。企業全体では建設業やサービス業が多く、老舗企業は製造・卸売・小売が多いことがわかる。

また、業種別の老舗出現率は、製造業が6.60%でトップとなり、小売業(5.82%)、卸売業(5.50%)が続いた。そのほかの業種は2%台以下であり、老舗出現率においても製造・卸売・小売が占める割合は高い。

老舗企業 業種大分類別

業種細分類別では、老舗企業数は貸事務所業が1552社でトップ。古くから保有する不動産を活用し、オフィスビルを建てるなどして業種転換したケースが多く、安定した資産を保有する老舗企業の強みが表れているとみられる。次いで、清酒製造業が938社、旅館が795社で続いた。

老舗出現率でみると、清酒製造業が91.9%と9割を超えた。そのほか、しょう油・食用アミノ酸製造業や味そ製造業など醸造系の業種が上位に来ている。また、花火や産業用の火薬を取り扱う煙火製造業や火薬類卸売業の老舗企業割合が高い。

老舗企業 業種細分類別上位10業種

10億円未満が8割 売上高1000億円企業の2割が老舗

売上高が判明している老舗企業を売上規模別にみると、「1億円未満」が41.8%、「1億~10億円未満」が37.2%と、10億円未満が約8割を占める。規模は小さくとも着実に長く事業を続けているケースが大半を占めた。

一方で、売上高の区分が大きくなるほど老舗出現率は高い。売上高「1000億円以上」は1.0%だが、全国にある売上高1000億円以上の企業のうち、老舗企業が占める割合は19.4%となっている。

老舗企業 売上高構成比

まとめ

業歴100年を超える老舗企業は4万6708社となり、老舗出現率は初めて3%を超えた。老舗企業の9割が明治・大正時代に創業・設立した企業で、江戸時代以前に創業した企業は約3600社に限られる。

2025年は142社(負債1000万円以上)の老舗企業が倒産している。価格転嫁が進まない企業やガバナンスの欠如が発覚した企業の倒産があった。老舗企業を含む業歴30年以上の倒産件数は過去10年で最多の3263件となった。資金繰りに課題を抱えている企業数は決して少なくない。

長く事業を続けるには、時代のニーズを的確に捉え、製品開発や新技術の導入、販売経路の開拓など新たなことに取り組み続けなければならない。日本の老舗企業は、海外の経営者が学びに来日するほど注目されており、災害や戦争など危機的状況を乗り越えてきた老舗企業から学べることは多い。2026年に創業100年を迎える企業は2000社程度あるとみられ、今後も老舗出現率は高まる見通しである。

20260327_全国「老舗企業」分析調査(2025年).pdf

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