レポート

「カレーライス物価指数(2026年基準改定)」調査―2025年通年

2025年のカレー物価1食349円 10年で4割アップ

2026/02/10

株式会社帝国データバンクは、食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算した。

                  

SUMMARY

2025年のカレーライス物価平均は1食349円(前年302円)となった。

コメ、野菜類、各種原材料の価格上昇を背景に前年同月からは+47円・15.6%増加し、4年連続で前年を上回った。

2026年1月のカレーライス物価は1食あたり平均370円台で推移する見通しとなった。現行基準としては「令和のコメ騒動」とされた2025年夏を上回る水準となる。                    

[注]カレーライス物価:カレーライスで使用する原材料や、調理にかかる水道光熱費などを独自に試算した指数。

ビーフカレー・ポークカレー・チキンカレー・シーフードカレー・野菜カレーの5メニュー平均値

各種価格データは「小売物価統計調査(総務省)」のうち各都市平均値(全国平均)を参照。調理シーンは「6食分(市販のカレールー1/2パック)をまとめて調理した」ものとした。

カレーライス物価指数:各月のカレーライス物価を基に、2020年平均=100とした価格推移


2025年のカレーライス物価:1食349円 10年前から98円↑ 記録的「カレーショック」の1年

カレーライスを家庭で調理する際に必要な原材料や水道光熱費などの価格(全国平均)を基に算出し、食卓に与える物価高の影響を可視化した「カレーライス物価(平均、2026年基準改定)」は、2025年平均で1食あたり349円となった。1年前の2024年(302円)からは+47円・15.6%増加し、4年連続で前年を上回った。また、10年前(2015年:251円)からは98円・約4割高となった。2025年は記録的なコメ価格の上昇に加え、猛暑の影響による野菜の不作も背景に、記録的な「カレーショック」の1年となった。

2025年のカレーライス物価は、ニンジンやジャガイモ、タマネギなど主要な材料が、冬場の低温や夏場の猛暑で収量が見込めず、平年を大幅に上回る高値が続いた。また、輸入牛豚肉の価格も円安や米国産の価格上昇を背景に値上がりが続き、市販ルーでも製品価格の改定があったことで、「カレー具材」が高値で推移する要因となった。また、2025年のカレーライス物価は特にコメ価格の動向に大きく左右され、2024年産(新米)を中心に店頭価格ベースで記録的な高値となったことも追い打ちとなり、2015年以降の10年間で最高値を更新する状況が続いた。

ピークとなった2025年5月以降は、備蓄米の流通量増加にともないコメ価格が下落したことを受け、カレーライス物価も緩やかな値下がりが続いたものの、備蓄米効果が薄れた秋以降は再び上昇に転じた。特に秋以降は2025年産の新米が市場に流通したものの、コシヒカリに比べて割安な他の銘柄米でも価格が急騰したことに加え、多くのメニューで使用されるタマネギは高温や少雨を背景に北海道地方での不作傾向が強まったことで、出荷価格が大幅に上昇するなどの影響も重なり、9月には初めて1食あたり350円を突破した。

また、12月のカレーライス物価は1食369円と、4カ月連続で月間最高値を更新した。前月と比較すると3カ月連続で40円台の上昇幅となるなど、コメ高騰を背景に急激な値上がり局面となった2025年夏に次ぐ「第二次カレーショック」の様相を呈している。

「国産食材」使用のカレーで割安感 

各メニュー別に年間のカレーライス物価をみると、「国産ビーフカレー」(581円)と「シーフードカレー」(503円)が1食あたり500円を超えた。全メニュー共にコメ価格の高騰による影響を大きく受けたなかで、ビーフカレー類は原材料となる牛肉に加え、タマネギなど野菜類の高騰が価格を押し上げた。最安値は「チキンカレー」(216円)となったものの、円安による飼料価格の高騰、鳥インフルエンザの影響で鶏肉価格が上昇し、2015年以降で初めて1食あたり200円を超えた。

前年同月からの値上げ率を各メニュー別にみると、最も大きいのは「チキンカレー」(+23.5%)で、前年から23.4%値上がりした。前年から20%以上の値上がりを記録したのは、チキンカレーのほか「輸入ポークカレー」(+22.5%)の2メニューのみ。輸入豚肉では米国産の価格上昇に加え、欧州産ではアフリカ豚熱などの影響で価格上昇が続いたことで、全メニューのなかで特に価格上昇が目立った。

最も値上げ率が低かったのは「国産ポークカレー」(+11.1%)で、「国産ビーフカレー」(+12.2%)、「シーフードカレー」(+13.5%)が続いた。特にビーフ・ポークカレーでは国産牛豚肉を使用したメニューで値上がり幅が小さく、単価は高いものの相対的な割安感が高まった。

各メニューのカレーライス物価平均を基に、2020年平均を基準(100)とした独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、2025年の指数は134.8だった。指数ベースで130台に到達したのは初めて。カレーライス物価指数のうち、メニュー別で2020年平均から4割以上上昇したのは、「輸入ビーフカレー」(148.7)、「チキンカレー」(142.7)、「野菜カレー」(142.2)の3メニュ―で、円安や天候不順などの影響のあった材料を多く使用したメニューで値上がりが目立った。 


今後の見通し:2026年1月=初の370円台到達へ 2025年夏に続く「第二次カレーショック」

全国の物価の先行指標となる東京都区部の物価動向を基に予想した2026年1月のカレーライス物価は1食あたり平均370円台で推移する見通しとなった。370円台の到達は、現行基準としては2015年以降で初めてとなり、「令和のコメ騒動」とされた2025年夏を上回る水準となる。

コシヒカリのほか他の単一銘柄米でも店頭価格で精米5キログラムあたり5000円を超えており、カレーライス物価のうち多くを占めるごはん(ライス)価格が大幅に押し上げる要因となっている。また、カレー具材ではジャガイモやタマネギ、ブロッコリーなどが低温の影響を受けて高値圏で推移する見通しとなっているほか、牛肉・豚肉でも輸入品を中心に値上がりが続き、関連するメニューでは今後も値上がりが続くとみられる。また、全体ではコメ価格高騰を背景に過去最高値圏の水準で推移することが予想され、2025年5月ごろの水準に続く「第二次カレーショック」が本格化することも考えられる。

20260210_全国カレーライス物価調査(2025年)

Contact Usお問い合わせ先

担当部署

株式会社帝国データバンク 情報統括部 TEL:03-5919-9343 Email:tdb_jyoho@mail.tdb.co.jp