レポート栃木県内企業の雇用動向に関する意識調査(2025年度)

正社員採用予定60.4%、低下傾向 ~「大企業」と「中小企業」の待遇格差も影響~

2025/04/11
雇用・人材  アンケート

「CMで転職を煽りすぎだ!」ある中小企業経営者の声である。聞けば、幹部候補の社員がある日突然退職し、上場企業に移ったそうだ。手塩にかけて育成した子飼いの社員がいなくなるショックはいかほどのものか・・・と考える。
弊社が3月14日に発表した、「人手不足に対する栃木県内企業の意識調査(2025年1月)」によれば、正社員が不足しているとする企業は60.0%と、極めて高水準で推移しており、人手不足の深刻さは変わらず続いている。冒頭で紹介したように、社員を引き抜かれ不足感が増大している中小企業は決して少なくない。雇用に際して、明らかに待遇面で劣る中小企業では打つ手がないところまで追い込まれており、今後が懸念されるところだ。

帝国データバンク宇都宮支店では、2025年度の県内企業の雇用動向を捉え、人手不足の実態に迫るデータを集約し分析した。なお、栃木県内の雇用動向調査は2016年3月以降毎年実施しており、今回が10回目である。

※調査期間は2025年2月14日~28日、調査対象は栃木県内企業411社に対して行い、149社から有効回答を得た(回答率36.3%)。

調査結果(要旨)

  1. 2025年度に正社員の『採用予定がある』と回答した企業の割合は60.4%、前年度比では3.5 pt減少し、コロナ禍以降の最低値となった。規模別では「大企業」(81.8%)、「中小企業」(56.7%)と格差は大きい。業界別では『運輸・倉庫』(80.0%)、『卸売』(70.8%)などで採用に積極的な一方、『小売』(46.2%)、『サービス』(52.4%)などではやや低調だ。様々な要因で、大企業と中小企業の環境格差が大きい様子が感じられる。また、中途採用のニーズが旺盛な点も確認できた
  2. 非正社員の『採用予定がある』については40.3%と、こちらも前年度比で6.2ptの大幅減少が見られ、コロナ禍の2021年度に次ぐ低調な数値となった。「大企業」(68.2%)に対し、「中小企業」(35.4%)と一際格差が大きい。業界別では、『運輸・倉庫』(60.0%)、『小売』(53.8%)など現場での人員不足が見込まれている。非正社員の採用は業況に直結するケースが少なくない

詳細は以下のPDFをご覧ください

20250411_栃木県内企業の雇用動向に関する意識調査(2025年度)

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