レポート九州・沖縄地区の「経営者の病気、死亡」倒産動向調査(2024年)

「経営者の病気、死亡」による倒産が過去最多を更新

2025/04/09
倒産・休廃業  社長・後継者

2024年九州・沖縄地区の「経営者の病気、死亡」による倒産が28件発生。集計基準が変更となった2000年以降で最も多かった2022年(23件)を超え、過去最多を更新した。また、全倒産に占める割合もかつては1%程度にとどまっていたが、2014年に3.1%となって以降は、2%を下回っていない。 

理由の一つは社長の高齢化だ。『九州「社長年齢」分析調査(2023年)』によると、2023年の社長の平均年齢は60.2歳と過去最高を更新した。また、50歳以上の割合は2016年の77.6%から79.0%にまで上昇し、企業の経営者の高齢化が加速度的に進んでいる。その大きな要因の一つが、社長が交代した割合を示す『社長交代率』が3.91%の低水準で推移していることである。

九州における社長の『後継者不在率』は、事業承継に関する官民の働きかけが効果をあげたこともあり、近年は改善傾向にあるものの、年齢的に後継者が決まっていることが望まれる70代で29.0%、80代以上で23.1%が後継者不在となっている。事業承継ガイドライン(中小企業庁)には、後継者への移行期間を踏まえると「概ね60歳頃には事業承継に向けた準備に着手することが望ましい」とある。準備の先延ばしにより「経営者の病気、死亡」による倒産リスクは高まり、倒産件数は今後も増加傾向で推移する見込み。

詳細は以下のPDFをご覧ください

20250409_九州・沖縄地区の「経営者の病気、死亡」倒産動向調査(2024年)

Contact Usお問い合わせ先

担当部署

株式会社帝国データバンク 福岡支店 TEL:092-738-7779 FAX:092-738-8687