レポート価格転嫁に関する近畿企業の実態調査(2025年2月)

価格転嫁率42.3%止まり 人件費増の転嫁は3割~ 6府県全てで前回調査より低下 ~

2025/04/04
物価・価格  アンケート

2025年の春季労使交渉の第1回回答集計によると、賃上げ率の平均は昨年を上回り、34年ぶりの高水準となった。帝国データバンク大阪支社の調査[1]でも、近畿企業における2025年度の総人件費は平均4.48%増と、過去最高の増加率を試算している。

しかし、原材料価格やエネルギー価格の高止まりに加えて、最低賃金の引き上げも含めた人件費の負担増で、コストアップを吸収する価格転嫁はさらに厳しい状況が続いている。近畿2府4県における2024年度の物価高倒産は220件発生[2]しており、企業の安定運営には価格転嫁をいかにスムーズに進めるかが喫緊の課題となっている。

そこで、帝国データバンク大阪支社は、現在の価格転嫁に関する企業の見解を調査した。本調査は、TDB景気動向調査2025年2月調査とともに行った。

※調査期間は2025年2月14日~28日、調査対象は近畿4,301社で、有効回答企業数は1,750社(回答率40.7%)

[1]:帝国データバンク大阪支社「2025年度の賃金動向に関する近畿企業の意識調査」(2025年3月12日発表)

[2]:帝国データバンク大阪支社「近畿地区倒産集計2024年度報」(2025年4月7日発表予定)

調査結果(要旨)

  1. 自社の商品・サービスにおいて、コスト上昇分を『多少なりとも価格転嫁できている』企業は78.9%となった
  2. 他方、「全く価格転嫁できない」企業は10.5%、依然として1割を超える
  3. 価格転嫁率は42.3%と前回調査(2024年7月)から3.9ポイント低下しており、6割近くを企業側が負担している構図に変化はない
  4. 府県別では、「和歌山県」(46.0%)が全国3位となり、前回調査の9位からランクアップするも2.3ポイント低下した

詳細は、以下のPDFをご覧ください

20250404_価格転嫁に関する近畿企業の実態調査(2025年2月)

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