レポート三重県内企業「価格転嫁に関する実態調査」(2025年2月)

価格転嫁率、46.3% 5割割れに後退も都道府県別で2番目に高い ~ 全く転嫁できない県内企業、1割を下回る ~

2025/03/25
物価・価格  アンケート

昨今の物価高を背景にして企業収益の改善には価格転嫁をいかにスムーズに進められるかが喫緊の課題となっている。このような中、政府は適正な価格転嫁を促すため、発注者が不利な取引価格を一方的に決める行為を禁止することなどを盛り込んだ、「下請け法」の改正案を2025年3月11日の閣議で決定した。改正案では、企業が資本金を意図的に増減させて法の適用を逃れる行為を防ぐため従業員数の基準が追加され、公正取引委員会は新たな法の網で監視を強化することとなる。三重県では2024年4月、「適正な取引と価格転嫁を促進し地域経済の活性化に取り組む三重共同宣言」を発出し、県雇用経済部を中心に目下、価格転嫁の推進を行っている。

しかし、企業では原材料価格やエネルギー価格の高止まり、最低賃金の引き上げが続く状況下、コスト上昇分すべてを商品・サービスへ転嫁することが望ましいと分かっていても、国内消費の動向などを鑑みると慎重な姿勢を取らざるを得ない声も多い。

そこで、帝国データバンク四日市支店は、現在の価格転嫁に関する三重県内企業の現況をアンケート調査した。本調査は、TDB景気動向調査2025年2月調査とともに行った。なお、価格転嫁に関する実態調査は前回2024年7月に実施し、今回で5回目。

※調査期間は2025年2月14日~28日、調査対象は三重県325社で、有効回答企業数は115社(回答率35.4%)

調査結果(要旨)

  1. 県内企業、自社の商品・サービスに対しコストの上昇分を「多少なりとも価格転嫁できている」割合は81.7%で調査以来過去最高
  2. 「価格転嫁率」は46.3%で前回調査(2024年7月)から3.8ポイント低下するも都道府県別では2番目に高い(前回調査の4番目から上昇)
  3. 「全く価格転嫁できない」は8.7%で1割を下回る
  4. コスト項目別での価格転嫁率は「原材料」が51.9%で最も高い
  5. 業界別の価格転嫁率は、「小売」(63.3%)や「卸売」(54.8%)が上位

詳細は以下のPDFをご覧ください

20250325_三重県内企業「価格転嫁に関する実態調査」(2025年2月)

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