レポート人手不足に対する栃木県内企業の意識調査(2025年1月)

正社員「不足」企業60.0%、過去最高値 高まる ~非正社員は34.8%、「不足」は増加傾向~

2025/03/14
雇用・人材  アンケート

3月4日に厚生労働省栃木労働局が発表した「労働市場のようす(令和7年1月分)」によれば、県内の有効求人倍率は1.19倍と安定した推移が窺える。3年以上にわたり1.1倍~1.2倍の間に収まっており、数字上は安定した労働市場が窺える。県内の有効求人数は約38,700人に対し、有効求職者数も約30,100人と双方が減少傾向を示しており、労働市場全般としては平穏に見える。

一方で、弊社が3月7日に発表した「賃金動向に関する栃木県内企業の意識調査(2025年度)」によれば、県内企業の62.7%が賃金改善を示唆しており、経済の好循環に向けた地ならしは進展している様子もある。しかし現実には、「運輸」や「建設」など2024年問題への対応が遅れている企業が見受けられ、「医療・福祉」業界では慢性的な人材難も見られるなど、課題はまだまだ山積している。特に、大手企業が率先して人材確保に動くなか、条件面で劣る中小企業では極端な人材難に陥っていることも否めないところであり、今後の労働市場の動向は非常に興味深い。

帝国データバンク宇都宮支店では、栃木県内企業に対し人手不足の状況についてアンケート調査を行い、四半期に一度のペースで実態を定点観測し、レポートをリリースしている。今回は2025年1月時点の県内企業の意識調査をまとめたものである。

※調査期間は2025年1月20日~31日、調査対象は栃木県内企業402社で、有効回答企業数は142社(回答率35.3%)。

調査結果(要旨)

  1. 栃木県内企業において、2025年1月時点で正社員について「不足」していると回答した企業は60.0%と、前年同期の2024年1月(49.6%)と比較すると10.4ポイント増加し、過去最高値を更新した。一方で「過剰」と回答した企業は7.1%と減少傾向、「適正」は32.9%であった。主要業界別では、『運輸・倉庫』83.3%、『建設』78.8%と、2024年問題に深く関わる2業界で不足感は高い。一方で『小売』44.4%など業界間格差も確認できる。個別企業ごとに環境は大きく変わるようだ
  2. 栃木県内の非正社員については、「不足」34.8%、「適正」58.0%、「過剰」7.1%と、前年比、正社員との比較、ともに不足率は低い。ただし、前年比では4.5ポイントほど増加しており、正社員不足のあおりもあって、じわりと不足感が高まる傾向を示しているようだ。特に、『運輸・倉庫』や『建設』では、その傾向が強い。仕事量に見合った不足の発生という傾向もあり、景況感や消費動向によって不足度合いは大きく変化する。当面読みにくい環境が続くと見込まれる

詳細は、以下のPDFをご覧ください

20250314_人手不足に対する栃木県内企業の意識調査(2025年1月)

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