レポート埼玉県・本社移転企業調査（2015年～2024年）

物価高や人手不足、地政学的リスクの高まりや金利の先高観など、依然として企業を取り巻く環境は厳しい。コロナ禍を機にリモートワークが急速に普及したことで、各企業のオフィス（事務所）に関する考え方が大きく変わるなか、本社をはじめとする事業所の設置や移転に関しても、各企業はこれまでとは違った動きをみせ始めている。

帝国データバンク大宮支店は、2015年から2024年の10年間で都道府県をまたぐ本社所在地の移転（転入・転出）状況を、企業概要データベース「COSMOS2」（147万社収録）等から抽出。本社移転増減の都道府県別ランキングを作成し、あわせて、埼玉県の転入・転出企業数の推移、および、2024年単年の転入元や転出先、さらには業種、年商規模別の分析を行った。

•  本分析に用いるデータは、帝国データバンク保有の企業概要ファイルCOSMOS2（2015年～2024年）をベースに、移転について確認できた年を企業移転（転入/転出）のタイミングとして扱っている。また、ここでいう本社所在地は、本社機能を有する事業所の場所を指し、商業登記の本店所在地と異なるケースもある。

調査結果（要旨）

1.  2015年から2024年の10年間に、他の都道府県から埼玉県へ転入した企業は2093社、埼玉県から他の都道府県に転出した企業は1579社判明。転入超過数は514社となり、全国ランキングでは神奈川県に次いで2位。2024年単年の転入超過数は埼玉県が40社で2位
2. 各年でみると、埼玉県の転入超過数で最も多かったのは2021年の111社。最少は2023年の29社
3. 2024年に埼玉県へ転入した企業の転入元は東京都が158社で最多。転出先も東京都が109社で最多となった
4. 2024年に埼玉県へ転入した企業を業種別にみると、最も多かったのはサービス業で66社。転出企業もサービス業が38社で最多
5. 2024年に埼玉県へ転入した企業の年商規模別では、最も多かったのが「1億円未満」で98社。転出企業も「1億円未満」が73社で最多

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