事業承継の必要性が叫ばれて久しい。少子高齢化にともなう生産年齢人口の減少、経済成長が低迷している昨今、さらには、アフターコロナを迎え政府の企業支援スタンスが転換するなか、廃業や倒産といった「店仕舞い」「事業停止」する企業の数は増加傾向にある。
廃業などにともなう企業数の減少は地域経済にとって非常に悩ましい問題。これを食い止めるべく、事業承継に関しては様々な支援が行われてきたが、中小零細企業の場合、何事も身近な存在である家族や親族に引き継ぐ、いわゆる「同族承継」が圧倒的に多かった。ただ、なり手不足や税金の問題等、越えなければならないハードルは高く、代わって存在感を増してきた手法のひとつが、今回取り上げるM&Aである。かつては、規模の小さい企業にとってネガティブイメージの強かったM&Aであるが、官民双方の支援促進や実績の積み上げなどもあって、ようやく近年は受け入れやすい環境が整いつつあった。ところが、近時は再びM&Aに対する見方が一部で非常に厳しくなっている。
帝国データバンク大宮支店は、M&Aに対する埼玉県企業の意識について調査した。
※調査期間は2024年12月18日~2025年1月6日、調査対象は埼玉県内企業1001社で、有効回答企業数は394社(回答率39.4%)。
※M&Aとは、企業の買収や合併、一部株式を売買して資本提携することなどの企業戦略全般を指す。また、人材難などにより後継者がいない場合の事業承継の手段、事業の一部を譲渡することなども含まれる。なお、資本の移動を伴わない業務提携(共同研究・開発など)は含まない。
調査結果(要旨)
- 「過去5年の間にM%Aを実施した」企業は9.6%と1割未満。他方、「過去5年の間にM&Aを実施していない」企業は87.1%
- 近い将来(今後5年以内)「M&A に関わる可能性がある」企業は31.0%と3割を超えた一方、「M&A に関わる可能性はない」企業は51.8%となり半数越え
- 買い手として重視すること「金額の折り合い」、売り手として重視すること「従業員の処遇」がそれぞれトップ
- M&Aの相談先、「メインバンク」がトップで、「税理士事務所」が続く
- M&Aに対する規制強化の必要性、6割を超える企業が必要性訴える
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