九州・沖縄地区の消費税や固定資産税等の各種税金(公租・租税)、厚生年金保険や健康保険等の社会保険料(公課)について納付ができない、滞納状態が続いたことで資産等を差し押さえられ経営に行き詰まった企業の倒産(公租公課滞納倒産)が、2024年は15件発生。前年(3件)から急増し、過去最多の件数となった。
社会保険料や税金など、「公租公課」の滞納が要因となった企業の倒産が増加している。多額に上る公租公課の滞納や延滞金の未納により、自社の預金口座や土地などの資産を差し押さえられ、経営に行き詰まった九州・沖縄地区の「公租公課滞納」倒産は、2020~2024年の5年間で23件判明した。このうち、2024年は15件となり、全体の65.2%を占めたほか、2023年の3件から5倍となった。
2024年に発生した15件を業種別にみると、最も多いのは「サービス業」の5件。「建設業」「小売業」(各3件)、「運輸・通信業」「卸売業」(各2件)が続いた。
社会保険料や各種税金の納付は、社会保障制度を維持するために企業が公平に負う義務であり、差し押さえ等で事業継続に行き詰まる企業の増加を年金事務所等の責任にすることはできない。一方で、コロナ禍での特例措置や支援策の縮小、物価高などの影響も重なり、社会保険料の支払い催促に対して弁済可能な資金を有する中小企業は決して多くない。社保や税金滞納分の支払い見込みが立たず、事業継続を断念するケースは今後さらに増えていくことが予想される。
20250128_九州・沖縄地区の「公租公課滞納」倒産動向調査(2024年)

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