人口減少や超低金利の長期化による収益環境の悪化など厳しい経営環境が続いてきた金融機関は、政策金利の引き上げなどが追い風となり収益が改善しつつある。一方で、割安な手数料や横断的な各種サービスで顧客囲い込みを図るネット銀行が台頭してきている。こうした環境下において、従来の貸し出しシェア競争から一線を画し、コロナ禍で疲弊した中小企業の経営を立て直すといった役割が地域金融機関に求められており、中小企業の「メインバンク」の選択にも影響を与える可能性がある。
当地においても山形県と秋田県を地盤とする金融グループ「フィデアホールディングス」は2024年11月8日に記者会見を開き、『傘下の2つの銀行を3年後に合併させて「フィデア銀行」とし、本店を山形市に置く』と発表しており、銀行の再編は着実に進む方向となっている。
帝国データバンク山形支店では、企業概要データベースCOSMOS2(特殊法人・個人事業主含む)から、山形県内の企業がメインバンクと認識している金融機関について抽出し集計した。
※本調査は帝国データバンクが独自に調査・保有している企業概要データベース「COSMOS2」に収録された企業データであるため、各金融機関がメインとして認識する実数とは異なる。また、1企業に複数のメインがあるケースでは、当該企業が最上位として認識している金融機関をメインバンクとして集計した。
調査結果(要旨)
- 山形県内の企業がメインバンクとして認識している金融機関で最も多かったのは、山形銀行(山形市)の5590社で、シェア34.39%
- 上位11行まで山形銀行(山形市)、きらやか銀行(山形市)、荘内銀行(鶴岡市)の地銀3行を含めた地元金融機関が占め、県外トップは12位の商工中金
- 業種別は1位がすべて山形銀行。2位は「その他」(農林水産、鉱業、金融など)を除いてきらやか銀行で、「その他」の2位は山形おきたま農協となった
- 売上規模別も1位がすべて山形銀行。売上高「50億円以上」は、メガバンクなどの県外金融機関が上位10行中5行を占める
詳細は以下のPDFをご覧ください
20250116_山形県内企業のメインバンク実態調査

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