レポート2024年九州・沖縄地区冬季賞与の動向調査

冬のボーナス、企業の21.2%で支給額「増加」 ~ ボーナスがある企業は減少も8割台を維持 ~

2024/12/16
雇用・人材  アンケート  景気動向

国内景気の行方を左右する個人消費の動向。2024年の春闘では、大企業において満額回答が相次いだものの、中小企業の賃上げは見劣りする一面もあった。物価の上昇スピードに賃上げが十分に追いつかない状況は、家計の節約志向が高まる背景となっている。2025年の景気回復につながる年末商戦における冬のボーナスへの注目度は一段と高まってきた。

こうした背景を受けて、帝国データバンク福岡支店は2024年冬季賞与の動向について調査を実施した。

※ 調査期間は2024年11月18日~11月30日、調査対象は九州・沖縄地区2,617社で、有効回答企業数は951社(回答率36.3%)。なお、冬季賞与の動向に関する調査は2020年以降毎年実施し、今回は5回目

1. 冬季賞与の1人当たり平均支給額が前年より「増加」する企業は21.2%に減少

2024年の冬季賞与(ボーナス、一時金、寸志など含む)の従業員1人当たり平均支給額をみると、「賞与はあり、増加する(した)」企業は21.2%であった。前年(25.1%)から3.9ポイントの減少となった。一方で、「賞与はない」企業は12.2%だった。特に「繊維・繊維製品・服飾品小売」は71.4% と突出して高く、半数以上の企業が賞与を支給しない状況となっている。

2. 2年連続で冬季賞与が「増加」する企業は11.6%へ上昇

業界別の動向をみると、『製造』(26.0%、前年比3.0pt増)で冬季賞与が「増加」する割合が2年連続で高まった。また、25%を超えたのは、『不動産』(28.6%、前年比5.8pt減)『製造』の2業界にとどまる結果となった。

他方、冬季賞与が2年連続で増加する企業は11.6%で、前年から0.2ポイント上昇した。

賞与を増やす企業からは、

・「民間工事・公共工事共に発注量が多い。」(建設)

・「観光需要とインバウンドの入場者数が増えている為。」(不動産)

・「過去最高の月間売上が続いており、多くの協力会社も忙しくしている」(家電・情報機器小売)といった要因を指摘する意見が聞かれた。

2024年の冬には、企業の80.3%がボーナスや一時金など何らかの形で賞与を支給する予定である。2025年以降は飲食料品など生活必需品の値上げが続くと予想されるなか、企業が家計の購買力に直接影響するボーナスを支給する原資を増やすための経営改善を進めることで、消費活性化の一助となることが期待される。

20241216_2024年九州・沖縄地区冬季賞与の動向調査

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