レポート人手不足に対する栃木県内企業の意識調査(2024年10月)

正社員「不足」企業47.1%、解消傾向 ~非正社員は29.3%、「適正」企業が過半数~

2024/11/29
雇用・人材  アンケート

10月29日に厚生労働省栃木労働局が発表した「労働市場のようす(令和6年9月分)」によれば、県内の有効求人倍率は1.15倍と安定した推移が窺える。これで約1年間1.1倍~1.2倍の間に収まっており、数字上は極めて安定した労働市場であると言える。特に県内の有効求人数は約37,000人に対し、有効求職者数も約32,000人と双方が減少傾向を示しており、一時の活発化した労働市場からは一変した感がある。

ただし、「建設」や「運輸」、「医療・福祉」といった特定の分野では不足感は相変わらずであり、解消されない状態が続いている。産業構造はなかなか変化する気配はなく、今後も同様の社会問題が継続する気配は否めないところだ。103万円問題がクローズアップされるなか、労働環境も含めた国の政策が問われており、適切な改革が必要と感じる。

帝国データバンク宇都宮支店では、栃木県内企業に対し人手不足の状況についてアンケート調査を行い、四半期に一度のペースで実態を定点観測し、レポートをリリースしている。今回は2024年10月時点の県内企業の意識調査をまとめたものである。

※調査期間は2024年10月18日~31日、調査対象は栃木県内企業411社で、有効回答企業数は154社(回答率37.5%)。

調査結果(要旨)

  1. 栃木県内企業において、2024年10月時点で正社員について「不足」していると回答した企業は47.1%と、前年同期の2023年10月(48.3%)と比較すると1.2ポイント減少している。引き続き高水準にはあるが、定点観測の結果を見れば、少しずつ解消傾向も見て取れる。一方で「過剰」と回答した企業は10.5%とやや増加、「適正」は42.5%であった。主要業界別では、『運輸・倉庫』83.3%、『建設』66.7%と、2024年問題に大きく関係する2業界で不足感は高い。一方で『製造』28.9%など業況の悪化による生産調整から人員不足が解消されている業界もあり、業界間格差は引き続き大きい。
  2. 栃木県内の非正社員については、「不足」29.3%、「適正」63.4%、「過剰」7.3%と、前年比、正社員との比較ともに不足率は著しく低い。特に、「過剰」と回答した企業の割合では『製造』15.4%、『小売』8.3%など、業績の頭打ちや、人件費の高騰などを背景に、仕事量(受注量)の下落が不足感を解消している側面も否めない。一時の不足感は完全に解消されていると見られる。

詳細は、以下のPDFをご覧ください

20241129_人手不足に対する栃木県内企業の意識調査(2024年10月)

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