経済産業省の「令和5年度 大学発ベンチャー実態等調査(速報)」によると、2023年10月時点の大学発ベンチャー数は、前年度比506社増の4,288社となった。その数は2015年以降9年連続で増加しており、2000年の420社から約10倍の規模に成長した。
内訳を見ると、「研究成果型ベンチャー(※1)」が49%、「学生ベンチャー(※2)」が27%(複数回答)となっており、大学の研究成果の事業化や、学生による起業が活発化している様子が伺える。
※1 大学で達成された研究成果に基づく特許や新たな技術・ビジネス手法を事業化する目的で新規に設立されたベンチャー
※2 大学と深い関連のある学生ベンチャー。現役の学生が関係する(した)もののみが対象
経済産業省の「大学発ベンチャー表彰2024」では、46件の応募から8社が選ばれた。対象企業の事業分野はAI技術、量子コンピュータ、音響工学、再生医療、ゲノム編集、放射性医薬品などであり、専門的な研究から生まれる革新的な製品やサービスが評価された。
政府は「スタートアップ育成5カ年計画」において、大学からの起業を後押しし、1つの研究大学から50社の起業と1社のエグジットを目指す「1大学1エグジット運動」を施策として掲げている。そのため、今後も大学発ベンチャーは増加を続け、新ビジネス創出の有力な担い手となることが期待される。
そのような中、帝国データバンクでは、保有する企業データの中から大学発ベンチャーをリストアップした。
【目次】
■抽出条件
1.本社所在地の傾向
2.業種別の傾向
3.企業規模別の傾向
4.損益の傾向
5.業歴別の傾向
6.代表者年齢の傾向
7.まとめ
■抽出条件
下記条件に該当する株式会社、有限会社、合同会社(計908社)
- 経済産業省「大学発ベンチャーデータベース」登録企業のうち、帝国データバンクが企業データを保有する企業(547社)
- 1以外の企業で、帝国データバンクが保有する企業データのうち、「事業内容」、「会社の特色」に下記の記述がある企業(361社)
- 大学の研究内容(共同研究含む)を事業化
- 大学関係者(教授、職員、研究員、学生)が創業・設立
- 大学関係者(教授、職員、研究員、学生)が現代表者
- 大学、大学系ファンド、大学関係者が出資
- 大学関連から資金面で支援を受けている(プロジェクトに採択など)
- 大学内に拠点(本店、研究所など)が所在
- 中核業務において、大学と共同研究を実施
以下に、リストアップされた企業の傾向を見ていく。
※対象908社のうち907社の概要を、こちらからダウンロードいただけます。
上記に掲載されていない、より詳細な企業情報は、別途有料にてご提供可能です。最寄りの帝国データバンク事業所までお問合せください。