レポート【市場関係者に聞くIPO】(株)東京証券取引所 インタビュー

~IPO は成長への通過点、市場を通じて企業価値のさらなる向上へ。 投資家との継続的な対話がより重要に~

2022/07/01
マーケット  金融  インタビュー

2022年4月に東京証券取引所(東証)において市場区分の見直しが行われ、「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の三つの新市場が誕生した。近年、IPO増加傾向のなかで、さらなる市場活性化に向けて東証はどのような視点で取り組みをしているのか。スムーズなIPO 実現のため市場関係者や企業などと広くコミュニケーションをはかり、情報発信や相談に取り組む株式会社東京証券取引所の上場推進部長、永田秀俊氏に同社の取り組みを聞いた。

-2022年4月の東証市場再編についてIPO への影響は

2021年のIPO 件数は、東証プロマーケットも含めると、全体で136件、うちマザーズ市場が93件と堅調でした。

2022年4月に東証では新しい市場区分が誕生し、近年のIPO 件数をけん引してきた新興企業向けのマザーズ市場は、「グロース市場」へ引き継がれました。同市場は「高い成長性を有する企業向け市場」というマザーズ市場のコンセプトを維持し、基本的な各基準の枠組みも大きく変わっていません。これまでマザーズ市場を目指してきたスタートアップにとっては、市場区分見直しで何かが大きく変わったという印象は持たれていないのではないでしょうか。各種規則も前倒しで施行しており、IPO 自体への影響はないと考えています。

TDB REPORT ONLINEログインページへ