はじめに
2018年10月1日~中旬にかけて、最低賃金が改定される。2018年度の最低賃金の改定は、政府が「未来投資戦略2018」(成長戦略)や「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太の方針)などで、年率3%を目途として、全国加重平均1,000円を目指すなかで、最低賃金が時給で決まるようになった2002年度以降で最高額の引き上げ額となった。そのため、収入増加による消費活性化などが期待される一方で、人件費上昇による企業収益の悪化などが懸念されている※。
そこで、帝国データバンクは、最低賃金の引き上げに関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2018年9月調査とともに行った。
※最低賃金制度とは、国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金以上の賃金を労働者に支払わなければならないとされている制度。改定後の最低賃金は全国平均で2017年度より26円引き上げられ874円に、地域別では都道府県ごとに24~27円引き上げられ時給761~985円となる(産業別最低賃金等は別途定められる)。
■調査期間は2018年9月13日~9月30日、調査対象は茨城県内企業360社で、有効回答企業数は143社(回答率39.7%)
調査結果
- 最低賃金の改定を受けて自社の給与体系を「見直した(検討している)」企業は47.6%。「見直していない(検討していない)」は33.6%。2016年9月時点と比較して、「見直した」企業の割合は8.0ポイント増と、最低賃金改定が従来よりも給与体系を見直すきっかけとなっている
- 採用時で最も低い時給は約935円で最低賃金822円より113円高い。業界別では『建設』が970円で最も高く、『サービス』『製造』『運輸・倉庫』『卸売』で900円を上回った
- 今回の最低賃金の引き上げ額について、「妥当」が45.5%で最も多い。「低い」(16.1%)および「高い」(15.4%)を大きく上回る。ただし、消費回復への効果については、「ない」とする企業が47.6%で半数近くを占め、「ある」と考える企業は10.5%にとどまる
- 企業の83.9%で2018年度の賃上げを実施。賃上げを行っていない企業は10.5%にとどまる。内容は「定期昇給」が60.8%で最も多く、「賞与(一時金)」(36.4%)や「ベースアップ」(28.7%)は3社に1社で実施
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