首都圏の建設業は、東京五輪を前に活況を呈している。また、住宅着工も政府の取得支援策をもとに、好調を持続、2016年度の住宅着工戸数は97万戸と2年連続で増加となった。それだけに、業界は人手不足も課題となっている。
こうした環境下、シー・エス・ランバーは、木造建築物向けプレカット木材の製造販売を主力に、建築工事、不動産賃貸業など川下へ領域を広げて事業を拡大。早くから時代の流れを察知しながら経営戦略を練り、機敏に変化・対応をしながら成長を遂げ、2017年11月に東証JASDAQ上場を果たす。その成長に至るターニングポイントを同社 代表取締役社長 中井 千代助氏に聞いた。
ー「貴社の強み」は、時代を読む力だと思いますが、その決断の背景をお聞かせください
弊社は、中井材木店千葉支店から発展的に独立し、1983年に材木販売を通じて社会貢献することを目的として株式会社千葉中井材木店(現在のシー・エス・ランバー)を設立しました。
97年には、千葉県東金市にプレカット東金第一工場を開設し、自社でプレカット加工を開始しました。当時は、プレカット材が流通し始めた時期で、プレカットによる材木の歩留まり率や加工精度、安定性を確認するために、自社で大工さんによる加工と機械によるプレカット加工とを同時に行う実験をして比較しました。その結果をもとに、今後はプレカットの時代になると判断し、軸足を移す決断に至りました。