はじめに
2014年度の決算は、一部上場企業を中心に過去最高益をあげた企業が相次いだ。加えて、昨年に引き続き公共工事の増加が追い風となった建設業やインバウンドの恩恵を受けた企業などは業績の回復傾向を見せている。
一方で、中国経済の低迷や円安が進むなか人件費・原料高などのコスト増や、中国特有のリスクの影響を受ける企業が増え始めるなど、今後は会社の規模や業種によって業績の明暗が分かれていくことが考えられる。
帝国データバンクでは、リーマン・ショック前の2007年度(2007年4月~08年3月期)から14年度(14年4月~15年3月期)までの8期間の財務分析を実施。収益性、安全性の2点から調査・分析した。今回の調査は2014年12月に続き3回目。
■企業規模は、総資本別(「1億円未満」「1億円以上10億円未満」「10億円以上100億円未満」「100億円以上」)
■財務比率の各数値は、帝国データバンクの企業財務データベース「COSMOS1」をもとに作成した『全国企業財務諸表分析統計』(第51~58版)による
■決算期の対象は、2007年度(07年4月~08年3月期)~14年度(14年4月~15年3月期)の8期
■財務比率は、「自己資本比率」(安全性)、「売上高経常利益率」(収益性)の2指標。
1. 自己資本比率=(自己資本/総資本)×100 2. 売上高経常利益率=(経常利益/売上高)×100
■業種別では「建設」、「製造」、「卸売」、「小売」、「運輸・通信」の5業種を取り上げた
調査結果
- 「自己資本比率」建設、製造など4業種が改善
「建設」、「製造」、「卸売」、「運輸・通信」が改善。特に「建設」は前年度比3.22ポイント増となり、最大の増加幅になったが、リーマン・ショック前(2007年度)の水準には戻っていない。また、「運輸・通信」も原油安によるコスト減により、1.41ポイント上昇した。一方、総資本「1億円未満」は、「製造」、「小売」の2業種が債務超過。 - 「「売上高経常利益率」全業種でリーマン・ショック以降、最高値に
全体、規模別ともにリーマン・ショック前を上回った。業種別では、全業種でリーマン・ショック以降、最高値を更新。総資本「1億円未満」は、2007年度以降初めて全産業でプラスとなった。
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