レポート特別企画 : TPPに関する九州企業の意識調査

企業の6割超が日本に必要と認識 ~ 「農・林・水産」の7割はマイナスの影響を懸念 ~

はじめに

2015年10月5日、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定が大筋合意された。高い水準の自由化と高度なルールを、世界のGDPの約4割を占める12カ国が約束したことで、関税等の大幅な削減・撤廃が行われ、域内全域に共通のルールが適用されることとなる。TPP協定は、域内市場の一体化が進展し、ヒト、モノ、資本、情報が活発に行き交うことで、日本経済の活性化につながると期待されている。他方、農産物などにおいては、関税撤廃などによる国内生産者への影響が懸念されているほか、金融や社会保障分野でのルールも課題に挙げられている。

帝国データバンクはTPPに関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査(2015年12月調査)とともに行った。

調査期間は2015年12月19日~2016年1月5日、調査対象は九州・沖縄地区の1,968社で、有効回答企業数は779社(回答率39.6%)

調査結果

  1. 企業の62.5%が、TPP協定は日本にとって「必要」と回答。自社の属する業界では29.7%が「必要」と考えているが、5年前(33.6%)と比べると減少。
  2. 自社への影響は「プラスの影響」(15.1%)が「マイナスの影響」(9.9%)を上回るも、「影響はない」「分からない」がそれぞれ4割近くに達し、自社への影響を必ずしも捉えきれていない現状が浮き彫りに。業種別では、プラス影響は「輸送用機械・器具製造」(50.0%)、マイナス影響は「農・林・水産」(70.0%)がトップ
  3. 具体的内容、影響を想定する企業のうちプラス面では「原材料コストの低下」(37.4%)がトップ、「売り上げや利益の増加」「輸出の増加」が続く。マイナス面では「販売価格の低下」(27.2%)がトップ、「売り上げや利益の減少」「新規参入の増加による競争の激化」が続く
  4. TPP協定への対応、企業の80.7%が「検討していない」。業界別にみると、「農・林・水産」の7割で何らかの対応策を検討
  5. 対応を検討している企業のうち、58.8%の企業が「TPP関連情報の収集」を検討。以下、「売り上げや収益への影響分析」「競合する輸入品価格への影響分析」が3割台で続く
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