「彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず」。この名言は与信管理に取り組む企業にとっても参考になる。
外部の特性を知り、内部を固めることが強い組織づくりにつながる。同じ与信管理でも企業により条件は異なり、各々の創意工夫が必要であるが、経営トップの積極的な関与は欠かせない要素である。連載開始となる本稿は、企業経営と与信管理の関係について詳しく触れている。与信管理を経営に有用な仕組みとして組織に浸透させるための序章として目を通していただきたい。
1．彼を知り己を知る
筆者は、帝国データバンク（TDB）在籍時に企業調査などの業務に従事した。TDB を退職後、事業会社で与信管理体制を構築する機会に恵まれ実務を経験した。
企業調査や与信管理の実務を経験したこともあり、経営コンサルタントとして独立後は、コンサルティングメニューの一つの柱として与信管理の支援を行っている。与信管理体制の構築、与信管理のセミナー講師、与信管理教育などがその内容である。