第2回は「事業承継で事業をつなぐ」と題し、「将来にわたって持続的な企業として成長していくためには、どのようなことに取り組めばよいか」について話を進める。事業承継という節目を「企業価値を向上させる機会」として活用し、自社の強みや特徴を生かしながら「環境変化に対応していくためのポイント」を、今回は5つ紹介する。
事業継続には、強みとなる知的資産を承継することが重要
創業100年を超える長寿企業は、さまざまな環境の変化にもまれながら、事業を継続させている。そうしたなかで、何度かの事業承継を経てきているが、各種統計などからみた長寿企業は、事業を継続するうえで「伝統を守り、引き継ぐこと」、「自社の重要な強みを認識すること」、「環境変化を迅速につかみ、新たな取り組みや変革を続けること」などを重要視している。
こうした取り組みを支える源泉(ひと・しくみ・つながり)のことを知的資産という。知的資産は、土地や建物、機械設備など(有形の)物的資産とは異なり目に見えないものの、企業の競争力を支え、強みとなる。