レポート

才門建設株式会社

2000/02/28

TDB企業コード:570002917 大阪府岸和田市 一般土木建築工事 和議開始を申請 負債180億円

才門建設(株)(資本金9680万円、大阪府岸和田市下野町3-10-25、才門正男社長、従業員138人)は、2月25日に大阪地裁へ和議開始を申請し、28日同地裁より保全命令を受けた。
 申請代理人は秋山洋弁護士(大阪市中央区南船場4-3-11、電話06-6251-7266)。
 同社は、1961年(昭和36年)12月に設立。一般建築工事87%、土木工事13%の割合で手がける一般土木建築工事業者で、87年2月に大阪府泉佐野市へ支店を設置したのをはじめ、90年5月には東京都へも進出し順次業容を拡大。主に大手ゼネコンとのJV(ジョイント・ベンチャー)により住宅および学校、商業施設などの施工実績を持ち、ピーク時の92年11月期には年売上高約237億4200万円を計上、地元泉州地区ではトップクラスの規模を誇っていた。
 しかし、その後は公共工事の抑制や民間新規物件の減少などから受注が落ち込み、98年3月期(決算期変更)の年売上高は約156億2100万円と低迷。加えて、受注獲得競争の熾烈化にともない利益面も圧迫されていた。
 このため、不採算工事の排除やコストダウンの推進などを骨子とした3ヵ年計画を策定し、業務の合理化・効率化に努めていたが、これにともなって受注はさらに減少。99年同期の年売上高は約121億2400万円まで落ち込み、過去の不動産投資や立替工事の増加などで膨らんだ借り入れの金利負担や、関連会社清算および有価証券評価損などの特別損失を計上したことで、約5億7000万円の最終赤字に陥っていた。
 今期に入ってからは、受注面において回復傾向が見られていたものの、事業継続のためには過大な金融債務をカットする必要があるとの判断から、今回の措置に踏み切った。
 負債は約180億円。
 なお申し立て代理人によると、今後、4月1日施行予定の新倒産法「民事再生法」を申請する意向を示している。