レポートユアサ建材工業株式会社

2002/06/28

TDB企業コード:400280522 愛知県高浜市 造作材、建具製造 民事再生手続き開始を申請 負債150億円

「愛知」 住宅の造作材・建具製造のユアサ建材工業(株)(資本金4億円、高浜市新田町3-1-3、代表長谷泰弘(ながや・やすひろ)氏、従業員261人)は、6月28日に東京地裁へ民事再生手続き開始を申請し、同日保全命令を受けた。

 申請代理人は田淵智久弁護士(東京都千代田区丸の内1-1-2、電話03-5223-7777)ほか5名。監督委員には土岐敦司弁護士(東京都千代田区神田司町2-10-8、電話03-5298-8833)が選任されている。

 当社は、1935年(昭和10年)4月創業、77年(昭和52年)12月に法人改組した当地老舗の合板メーカー。主要取引先の1社であるユアサ商事(株)(東証1部上場)は同社の株式を17.5%保有しているが、これはユアサ建材工業(株)が旧・ユアサ産業(株)より77年に分離独立した経緯から、92年4月に旧・ユアサ産業と合併した際に、旧・ユアサ産業が出資していた出資額を、ユアサ商事が一部取引先への出資として継承したもの。現状は関係会社・子会社としての関係はなく、役員の派遣、資金援助、設備の賃貸契約もない。
 東京支社をはじめ札幌、大阪、名古屋、福岡、横浜、仙台支店など全国15ヵ所の支店、営業所網を通じて積極的な営業を展開し、ピーク時の91年3月期には年売上高約322億4400万円を計上していた。

 バブル時の89年から92年にかけては高額所得法人として公示されるなど好調な業績を維持していたが、バブル崩壊以降は長引く不況による需要業界の不振から赤字決算が散発し、大幅な債務超過に陥っていた。このため、98年6月には合板事業から完全に撤退し、住宅の造作材、建具の製造へと転換した。その後2000年6月には大手印刷会社とタイアップして非木質フロアーを開発・販売、また大手サッシメーカーのOEMによる受託生産も開始して再建を目指してきた。しかし、需要は回復せず、2001年同期には旧名古屋工場跡地を売却して財務内容の改善を試みたが、債務超過の解消には至らず、翌2002年同期の年売上高は約103億5100万円にとどまり、当期損失は約5億4800万円を計上するなど累損が膨らんだことから自力再建を断念した。

 負債は約150億円。