レポート久保産業株式会社

2002/01/31

TDB企業コード:890084373 鹿児島県日置郡 燃料卸売業 2回目不渡り 負債62億円

久保産業(株)(資本金6200万円、鹿児島県日置郡東市来町長里492-1、久保辰八社長、従業員17人)は、1月31日に鹿児島信金(湯之元)で2回目不渡りを出した。今後は任意整理の意向。
 同社は、1961年(昭和36年)3月に創業、1971年(昭和46年)3月に法人化した石油卸業者。ガソリンスタンドの経営を主体として、積極的な拡大策をとり卸売についても官公庁筋や農漁協などを販路に拡大、地元では大手業者に位置していた。
 その後は、一般個人向けのガソリンスタンドは(株)コロナ・エネルギー(代表梅木義行氏、鹿児島県日置郡、2002年1月、民事再生)に、卸売部門の一部は産興商事(株)(代表久保哲氏、鹿児島県日置郡)として別法人として運営されてきた。また、主力仕入先のバックアップなどもあって、グループの三州荷役(株)(代表久保辰八氏、鹿児島県日置郡、2002年1月、銀行取引停止処分)により92年10月には鹿児島県姶良郡加治木町に油槽所を建設、福岡・熊本・宮崎の各県にサブ店舗を増やし、ピーク時の2001年2月期の年売上高は約133億2200万円を計上していた。
 しかし、スタンドの店舗開発などの設備投資を金融機関からの借入金で賄ったことから、金利負担により妙味薄の決算が続いていた。このため、2001年6月には取引金融機関を集めて、2001年7月~2002年6月まで1年間の元本返済の棚上げなどを柱とするリストラ案を策定し、取引金融団の支援を得ていたものの、景気低迷による販売不振により慢性的な資金不足が続くなど資金計画に狂いが生じていた。こうしたなか、年初に取引先が倒産したことで、約5億円の大口焦げ付きが発生、急速に資金繰りが悪化していた。
 負債は約62億円。