レポート北の家族株式会社

2002/01/17

TDB企業コード:982569551 東京都豊島区 居酒屋チェーン 店頭上場 民事再生手続き開始を申請 負債116億円

「東京」 店頭上場企業で居酒屋チェーンの北の家族(株)(資本金30億2263万5650円、豊島区南大塚2-45-8、代表長谷川浩氏、従業員241人)は、1月17日に東京地裁へ民事再生手続き開始を申請した。

 申請代理人は影山光太郎弁護士(中央区銀座2-6-16、電話03-3564-0811)。監督委員には鈴木伸太郎弁護士(中央区八重洲2-11-6、電話03-3517-6070)が選任されている。

 当社は、1960年(昭和35年)4月に設立、当初は美術品・辞書等の販売を目的にしていたが、1973年8月に新宿区で居酒屋を開業、以降居酒屋「北の家族」をチェーン展開しこれを主業とするようになり、89年10月に(株)アート・ライフに商号変更、92年7月に店頭公開を果たしていた。97年4月には、冷凍食品の(株)ケイビーの関係会社である長谷川総合経済研究所(株)(当時・ロングヴァリリバー(株))が当社株式を公開買付けし、以降は(株)ケイビーの姉妹会社となり、同年9月に現商号の北の家族(株)へ商号変更していた。99年6月には、長谷川総合経済研究所(株)所有の同社株式のうち90万株をパチスロ機最大手アルゼ(株)の代表岡田和生氏に売却、店舗情報の交換や共同出店、店舗改装などをアルゼ(株)と手掛けていく方針を打ち出していた。近時の株主構成は長谷川総合経済研究所(株)213万株(構成比22.1%)、岡田和生氏90万株(同9.3%)となり、(株)ケイビーを中心とする「はせがわグループ」の一員として事業展開していた。

 最近の店舗構成は、和風料理「心の居酒屋 北の家族」35店舗、「和食居酒屋 北の家族」38店舗を主力として、洋風居酒屋「びすとろ 北の家族」、バイキングレストラン「フォーシーズンズ」など計76店舗を経営。従来の東京を中心とする関東圏から、最近は関西方面へも店舗展開し、2001年6月期には年売上高約130億8800万円を計上していた。

 一方で、不採算店舗の閉鎖に伴う固定資産除却損、関係会社投資有価証券評価損、貸倒引当金繰入額等を計上したため、同期の当期損益は約32億800万円の欠損計上を余儀なくされていたうえ、グループ会社への支援などから経営内容の悪化を招いていた。

 家賃滞納や支払遅延を発生させるなど、財務面に問題を抱え信用不安が取りざたされるなか、2001年10月には第三者割当増資による新株発行並びにユーロ円建転換社債発行を取り止めるなど、資金繰りはひっ迫、今回の措置となった。

 負債は約116億円。

 なお、関連会社で店頭上場の(株)ケイビーも同日同地裁へ民事再生法を申請した。