レポート

株式会社WIND-SMILE

2025/12/17

TDB企業コード:989878791 東京都江東区 再生可能エネルギー事業 民事再生法の適用を申請 負債70億円

当社が入居しているビル

「東京」 (株)WIND-SMILE(資本金8075万円、江東区白河3-2-8、代表福留修蔵氏)は、12月17日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日、保全および監督命令を受けた。

 申請代理人は石田渉弁護士(森・濱田松本法律事務所外国法共同事業、千代田区丸の内2-6-1)ほか5名。監督委員には、縣俊介弁護士(桜川協和法律事務所・イノハラ外国法事務弁護士事務所、港区虎ノ門1-21-19)が選任されている。

 当社は、2007年(平成19年)11月に地下土木工事および風力発電装置の販売・設置工事を手がける(株)シグナスエナジー(TDB企業コード:981081197、2014年5月株主総会の決議により解散)の風力発電装置の開発・販売事業を分離して設立された。垂直軸風車型の風力発電装置を得意とし、設計から販売、設置工事まで手がけ、自社施設での売電収入も得ていた。また、太陽光発電市場への参入企業が増加するなか、太陽光発電システムの販売や設計施工、コンサルティング事業(EPC)で、土地の手配から企画、設計、施工まで対応できる体制を構築したことで受注を伸ばし、長崎県、青森県、群馬県、茨城県、千葉県などで実績を積みあげた。網走市に発電所を開設した2019年9月期(14カ月決算)にはバイオマス発電事業を開始し、年売上高約98億2400万円を計上していた。その後も、バイオマスや地熱発電に設備投資を行うほか、蓄電池事業も開始するなど広く再生可能エネルギー事業を展開していた。

 しかし、コロナ禍の輸送費の上昇や納品遅れ、原価高騰による建設費の増加、ウッド・ショックや円安の進行に伴う木質燃料需要の減少・不安定化の影響を受け、2022年9月期の年売上高は約90億1200万円を計上したものの、約5億7100万円の最終赤字となった。こうしたなか、金融債務の返済猶予を受け、私的整理による再建を目指し、新規受注や案件開発、販管費の削減などに注力したものの、十分な回復に至らず、民事再生法での再建を目指すこととなった。

 負債は債権者約80名に対し約70億円。

 なお、(株)みらい共創アドバイザリー(東京都千代田区)をフィナンシャル・アドバイザーに選定した上でスポンサー探索を行い、再生エネルギー事業を手がける(株)町おこしエネルギー(兵庫県加古川市)との間でスポンサー支援に関する基本合意書を締結。今後、早期にスポンサーに対する事業の承継を行い、事業の再建を図るとしている。