レポートネオクリティケア製薬株式会社

2025/09/08

TDB企業コード:985188816 神奈川県厚木市 医薬品製剤製造 破産手続き開始決定受ける 負債44億7100万円

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「神奈川」 ネオクリティケア製薬(株)(資本金1億円、厚木市旭町4-18-29、代表池田真吾氏ほか1名)は、9月5日に東京地裁に準自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人には横山兼太郎弁護士(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、東京都千代田区大手町1-1-2、電話03-6250-6200)が選任されている。

 当社は、1941年(昭和16年)創業、47年(昭和22年)9月に法人改組。オリジナル医薬品製剤メーカーとして、輸液・注射剤である血液代用剤や糖類剤、ビタミン剤などを扱っていた。2005年の改正薬事法の施行以降は大手製薬メーカーからの受託製造が拡大、オリジナル製剤も販路を拡大し、2018年3月期には年売上高約63億8000万円を計上していた。この間、経営体制の変遷により商号変更を繰り返し、2019年9月よりUAE(アラブ首長国連邦)に本社を置く国際的な製薬企業・Neopharma LLC傘下のneo ALA(株)の完全子会社となっていた。

 こうしたなか、2020年7月の社内調査においてソフトバッグ製剤の製造工程における環境モニタリングに不備が確認され、製品の自主回収と3カ月の製造ライン停止を余儀なくされていた。その後、製剤ラインの稼働を再開し、品質体制の再構築と経営体制の刷新による信頼回復を目指していたものの、ソフトバックの代替品対応などで収益は大きく悪化、2021年3月期は年売上高約43億円に対し最終損失約22億200万円を計上していた。その後、一部の輸液における生産停止、他社への製造販売継承、得意先からの期間満了前の委託契約解除などで製造品目の見直しを迫られていた一方、Neopharma LLCによる金融スキャンダルの影響から資金を調達することができず、当社の資金繰りに関する注目も集まっていた。2024年11月にはNeopharma LLCのグループから外れ事業の再建に取り組んでいたが、一部製品の生産中止や原材料の調達難などから2025年3月期の年売上高は約30億1600万円にとどまり、当期純損失約7億4600万円と6期連続の最終赤字で財務の毀損が進むなか、資金繰りが限界に達し事業継続を断念した。

 負債は2025年3月期末時点で約44億7100万円だが、その後変動している可能性がある。