TDB企業コード:500127925 京都府京都市南区 電池用検査装置など製造 民事再生法の適用を申請 負債104億4992万円TDB企業コード:500127925 | 京都府京都市南区 | 電池用検査装置など製造 民事再生法の適用を申請 負債104億4992万円
「京都」 (株)片岡製作所(資本金4億8570万円、京都市南区久世築山町140、代表西則男氏、従業員210名)は、7月25日に京都地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日弁済禁止の保全処分および監督命令を受けた。
申請代理人は野﨑隆史弁護士(京都総合法律事務所、京都市中京区河原町二条南西角、電話075-256-2560)ほか12名。監督委員には、河本茂行弁護士(河本総合法律事務所、京都市中京区烏丸通三条下ル 大同生命京都ビル8階、電話075-231-3101)が選任されている。
当社は、1968年(昭和43年)8月創業、同年11月に法人改組された。電池用検査装置を主力製品として、レーザー加工機や液晶製造装置の分野に特化し、産業機器や制御システムなども製造していた。電池用検査装置は、電池組み立て後の充放電から各種検査工程を一貫して行うシステムで、システム構築から搬送装置までを自社で手がけ、量産用二次電池検査システムメーカーとしては国内トップクラスのシェアを有していた。
近年はスマートフォンや電気自動車(EV)などの用途で、世界的にリチウムイオン電池を中心とする二次電池の需要が伸長したことで海外販路を拡大。海外電池メーカーの二次電池製造ラインの立ち上げ段階から設備提案を行うなど積極的な営業展開を図り、2018年1月期には年売上高約110億3100万円を計上していた。
しかし、2020年以降は新型コロナの影響による海外向けの輸出制限などから売り上げが落ち込み、2021年1月期の年売上高は約55億2200万円に減少。その後は、EV用電池を中心とする需要増加により盛り返していたものの、リチウムイオン電池業界の世界的な競争激化などから、主力得意先向けに納入予定であった製品(約28億円)の売り上げ計上のめどが立たなくなり、2024年1月期以降は実質的に不良在庫化していた。
また、2024年11月には、得意先であったスウェーデンのノースボルト社が破綻したことで大口の焦げ付きが発生するなど資金繰りが悪化。この間、金融機関からの借入金で資金手当てを続けていたが、世界的なEV需要の伸び悩みから海外案件の進捗が鈍化。売掛金の回収遅れもあって決済難に陥るなか、追加の資金調達に奔走したものの奏功せず、スポンサー支援を受けて事業再生を目指すこととなった。
負債は約104億4992万円(2025年6月末日現在)。
なお、現在も営業は継続中。複数のファイナンススポンサーとの間で、DIPファイナンスを含めた融資条件などを協議している。
債権者説明会は、8月1日午後1時から「TKPガーデンシティ京都タワーホテル 9階 八閣」(京都市下京区)にて開催する。