「広島」 (株)凪スクエア(資本金1000万円、登記面=広島市中区中町7-16、代表清算人二國則昭氏)は、7月2日に広島地裁より特別清算開始命令を受けた。
当社は、1963年(昭和38年)6月創業、65年(昭和40年)6月に法人改組された宅地開発事業者。広島市内で最大と評される大型住宅団地「東亜祇園ニュータウン春日野」の開発販売を主体に、広島市内を中心とした複数区画の宅地開発、分譲マンションの販売などを手がけていた。2021年からは大口案件となった春日野の多目的施設を販売したことで、同年3月期には年売上高約47億3800万円を計上していた。
しかし、主力事業であった「東亜祇園ニュータウン春日野」は建築需要の悪化、立地における道路事情が弱みとなって販売が低調に推移し、2022年3月期の年売上高は約17億8000万円にまで落ち込み、採算性も悪化していた。同団地開発に伴う借入金を圧縮できず、多額の金利負担が重荷となっていた。その後、販売が進んで2024年3月期の年売上高は約24億円を確保したものの、半分以上がハウスメーカーに対する卸販売のため計画していた利益を得ることができず、資金繰りはひっ迫していた。近時は大手デベロッパーの進出などで物件調達の価格が上昇したことで、業容の縮小を余儀なくされていたため、2024年6月に住宅・マンション等分譲、不動産売買・仲介・賃貸にかかる事業を別会社に承継した。その後、当社は同年9月に減資を行うとともに、2025年3月31日開催の株主総会の決議により解散していた。
負債は、2024年3月期末時点で約57億円だが、その後に変動している可能性がある。
なお、当社が行っていた事業は、別会社により現在も継続している。