レポート北九州アッシュリサイクルシステムズ株式会社

2025/07/10
倒産速報

TDB企業コード:771021761 産業廃棄物処理 特別清算開始命令受ける 負債30億2100万円

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「福岡」 北九州アッシュリサイクルシステムズ(株)(資本金1億円、北九州市戸畑区初音町8-18、代表清算人島田博宣氏)は、6月27日に、福岡地裁小倉支部より特別清算開始命令を受けた。

 当社は、2017年(平成29年)4月に三菱マテリアル(株)(東京都千代田区、TDB企業コード:985793701)と(株)麻生(飯塚市、TDB企業コード:800154395)が合弁で設立した産業廃棄物処理業者。セメント資源化事業を目的として、総工費約12億円をかけて1日あたり最大処理能力116トンの焼却飛灰処理施設を2018年3月に竣工した。九州唯一の飛灰洗浄リサイクルに特化した工場として同年4月から営業を開始。一般廃棄物を焼却した後に残る焼却飛灰は、含有する塩素濃度が高いためリサイクルが難しいと言われていたが、当社は焼却飛灰中の塩素を低濃度まで洗浄し、セメント資源化する技術を開発し、これまでになかった焼却飛灰の完全リサイクル事業を展開していた。

 しかし、近年の経済環境の変化や競争の激化により、業績は悪化。2022年3月期には当期純損失約2億2400万円を計上し、この間も連続欠損を計上するなど採算割れが続いていた。さらに原材料費の高騰や運営コストの増加も重なったことから、2024年5月1日付で事業を終了。2025年3月26日開催の臨時株主総会の決議により3月31日付で解散し、同年4月に現所へ本店を移転していた。

 負債は2024年3月期末時点で約30億2100万円。