「奈良」 三ッ星靴下(株)(資本金2500万円、大和高田市大谷313、登記面=香芝市別所44、代表堀田征治氏ほか1名)と、関係会社の三ツ星産業(株)(TDB企業コード:510352397、資本金1000万円、大和高田市大谷314、登記面=大和高田市築山785、同代表)は、7月1日に事業を停止し、事後処理を東海伸晃弁護士(法律事務所リメス、大和高田市大中100、電話0745-43-5101)に一任、自己破産申請の準備に入った。
三ッ星靴下(株)は、1948年(昭和23年)4月創業、63年(昭和38年)1月に法人改組され、カジュアル用の紳士・婦人用ソックスやストッキングの製造を手がけていた。自社工場のほか、中国の生産協力工場で製造。かつては通販業者や下着メーカーなどからのOEM製造を中心としていたが、関係会社の三ツ星産業(株)を経由してアパレルチェーンや総合スーパーなどへ販路を拡大し、86年12月期には年売上高約80億500万円を計上。地場有力企業としての地位を築き、その後、医療用・健康用の着圧(弾性)ソックスなど高機能性靴下の扱いを強化していた。
しかし、2011年にはストッキングの製造から撤退。さらに、一部のアパレルチェーンとの取引を縮小させたこともあって、2016年12月期の年売上高は10億円を下回っていた。収益面で苦戦を強いられるなか、中国から調達していた商品の一部をベトナムの協力工場にシフトするなどの改善策を講じていたものの、過去の設備投資などにより膨らんだ有利子負債が重荷となり、資金繰りが悪化。2020年には旧香芝工場や旧本店などの社有不動産を売却して、借入金の圧縮を図ったものの、抜本的な改善には至らなかった。近時は為替が円安に振れたこともあって採算が悪化。借入金の返済見通しが立たないことから、今回の事態となった。
三ツ星産業(株)は、1981年(昭和56年)6月に、三ッ星靴下(株)の営業部門の一部を独立する形で設立され、アパレルチェーンや総合スーパーなどへの販路を構築していた。
負債は2024年12月期末時点で三ッ星靴下が約25億円、三ツ星産業が約8億円、2社合計で約33億円。