レポート株式会社君津ロックウール

2025/06/03
倒産速報

TDB企業コード:570217456 元・ロックウール製造 特別清算を申請 負債89億4400万円

「千葉」 (株)君津ロックウール(資本金2億2000万円、木更津市築地2-2、登記面=東京都中央区八丁堀1-6-1、代表清算人中村昇司氏)は、6月2日の株主総会決議で解散し、3日までに東京地裁へ特別清算を申請した。

 当社は、1992年(平成4年)2月に新日鐡化学(株)<現:日鉄ケミカル&マテリアル(株)>の不動産管理会社として設立され、95年(平成7年)3月に管理不動産の売却により休眠状態となったが、97年(平成9年)2月に同社のロックウール(岩綿)製造事業を承継し再開。製鉄所の製鉄過程で発生するスラグを原料として、建物の断熱材などで用いられるロックウールの製造を手がけていた。2005年にはニチアス(株)(現:東京プライム上場)の傘下に入り、堺市の工場を別法人化して、商号を新日化ロックウール(株)から現商号に変更、2013年には住宅用ロックウールの新工場が稼働するなど、積極的な設備投資を行っていた。

 しかし、過去の累損から財務面は大幅な債務超過が続いていたなか、近年のエネルギー・原材料コストの高騰などの影響も重なり、業績の回復が見込めないことから、ロックウール製品の生産を2024年3月末で停止することを、2022年12月に決定していた。2023年3月期の年売上高は約27億1600万円にとどまり、当期純損失約17億3600万円を計上。その後、当社が所有する生産設備等の処分が完了したことから、今年5月19日に親会社であるニチアス(株)の取締役会で当社の解散および特別清算の申し立てを行うことを決議していた。

 負債は、2025年3月期末時点で約89億4400万円。