レポート株式会社香港聘珍樓ジャパン
TDB企業コード:232003278 「聘珍樓」ブランドのレトルト食品等卸 事業停止、清算手続きへ 負債2億8900万円
「神奈川」 (株)香港聘珍樓ジャパン(資本金1000万円、横浜市港北区新羽町1828-1、代表林康弘氏)は、「5月20日に全事業を停止し、今後は会社の清算手続きを進める」ことを掲示した。
当社は、2011年(平成23年)5月に設立された。1884年(明治17年)創業の旧・(株)聘珍樓〈TDB企業コード:200501539、2016年6月に(株)平川物産に商号変更し、2017年3月特別清算開始決定〉の関係会社として「聘珍樓」ブランドの食料品・菓子類を扱っていた。販売は百貨店向けを主力に、その他食品問屋、量販店、インターネット・カタログ通販業者などを得意先としていた。
旧・(株)聘珍樓は、横浜中華街で創業。現存する日本最古の中国料理店として知られ、2007年3月期は年売上高約107億9900万円を計上していたが、高コスト体質で収益性は低調に推移。景気悪化による法人需要の低迷から業績はジリ貧となり、2016年3月期の年売上高は約65億2000万円にとどまっていた。このため、リストラ等で立て直しを図っていたが改善に至らず、2016年(平成28年)4月に香港のファンドの出資を得て設立された新・(株)聘珍樓に全事業を譲渡していた。新会社になってからも当社が「聘珍樓」ブランドのレトルト食品、調味料などの食料品や中華菓子類を全国の百貨店に卸すなどし、2024年3月期には年売上高約26億5800万円を計上していた。
一方、新・(株)聘珍樓は再建に向けてスタートを切ったものの新型コロナウイルスの影響から客数の減少を余儀なくされ、2020年3月期は年売上高が約57億7200万円に対し約6億2200万円の当期純損失を計上していた。その後も売り上げは減少傾向をたどり、2024年3月期の年売上高は約46億6600万円に対し当期純損失約1億7700万円を計上、5期連続の最終欠損で債務超過が続くなど資金繰りのメドが立たなくなり、同社と実質一体であった当社も同様の事態となった。
負債は2024年3月期末時点で約2億8900万円だが、その後変動している可能性がある。