レポートMPH株式会社
脱毛サロン「ミュゼプラチナム」運営
TDB企業コード:864067496 脱毛サロン 債権者より破産を申し立てられる 負債300億円
「東京」 脱毛サロン「ミュゼプラチナム」を運営するMPH(株)(資本金1000万円、登記面=大田区蒲田5-28-4、代表高橋英樹氏)は、5月16日に元従業員などの債権者より東京地裁へ破産を申し立てられた。
申請代理人は佐藤和樹弁護士(さくら共同法律事務所、新宿区四谷本塩町4-15)ほか1名。
当社は、2024年(令和6年)9月に(株)ミュゼプラチナム(TDB企業コード:018068034)から新設分割で設立され、同社の脱毛サロン「ミュゼプラチナム」事業を承継し、全国167店舗(2024年12月時点、直営)を運営していた。
「ミュゼプラチナム」の運営は、2015年から(株)MIT〈TDB企業コード:757007548、旧商号:(株)ミュゼプラチナム〉が手がけていたが、事業多角化やコロナ禍などの影響で経営不振となり、2023年4月にAV機器メーカーの船井電機(株)の持ち株会社が関係会社を通じて(株)MITの全株式を取得し、再建を目指した。しかし、資金繰りは改善せず、同グループは2024年3月に株式を売却。同年5月に(株)MITから新設分割で設立された(株)ミュゼプラチナムに全事業が承継され、株主も変わっていた。
その後も資金繰りは改善せず、新しい株主が再度株式を売却し、同年9月に設立された当社に(株)ミュゼプラチナムの全事業が承継されていた。
しかし、分割前の旧会社〈(株)MITと(株)ミュゼプラチナム〉に残された債務は放置され、旧会社が社会保険料を滞納していたため、日本年金機構が当社の売掛金を差し押えていた。そのため売り上げが入らず、取引先や従業員への給料の支払いが2024年11月以降、度々遅延するなか、滞納については旧会社の問題として当社は日本年金機構と協議を進めていた。
こうしたなか、2025年2月には幹部と株主の間で内紛が生じ、経営権をめぐって係争となったことで給料が支払われない状態となり、店舗運営にも支障を来すなか3月下旬より全店舗を休業。会員へのサービス継続を図り、業務委託による新業態「どこでもミュゼ」の展開を4月から進めていた。
負債は約300億円が見込まれるが、今後変動する可能性がある。
なお、その他のグループ会社は破産申し立ての対象となっていない。MPH(株)は「今後も事業を継続しながら再生を目指す方針であるため、その計画と方針を理解してもらえるよう協議する」としている。