レポート株式会社アルカディア

【続報】福岡県下の大手結婚式場運営業者

2025/03/28
倒産速報

TDB企業コード:840134682 結婚式場業 破産手続き開始決定受ける 負債54億269万8813円

(株)アルカディア外観

「福岡」 既報、(株)アルカディア(資本金1000万円、久留米市宮ノ陣3-3-28、代表中山和子氏ほか1名)は、3月21日に福岡地裁久留米支部より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人には、白水由布子弁護士(からたち法律事務所、久留米市原古賀町18-11、電話0942-27-7258)が選任されている。

 当社は、1973年(昭和48年)12月創業、89年(平成元年)3月に法人改組された結婚式場・レストランの運営業者。福岡県大川市に本社を置くパン製造業者が、昭和48年12月に設置した結婚式場「ロイヤルパークアルカディアリゾート」(2012年5月閉館)の運営を足掛かりに、ブライダル事業に着手。ホテルの大型増築を機として(株)ロイヤルパークホテルの商号で分社化した経緯がある。以後は久留米市でのマンション建築による不動産賃貸をきっかけに同市内に進出。現本店となる「ロイヤルパークアルカディア久留米」は同エリア初の本格的邸宅ウエディング形式の式場として人気を博していた。福岡県南部や佐賀県だけでなく、北九州や福岡エリア在住の結婚予定客からの申し込みも増えたことで「ウエディングワールドアルカディア小倉」「アルカディアSAGA」「THE アルカディア太宰府」を開設し、2013年8月期には年収入高約36億2100万円を計上していた。

 しかし、婚礼件数の減少に加えて、他エリアからの競合施設の進出により、収入高は弱含みで推移。2015年には福岡市内にレストラン「QUANTIC」を出店するなど商圏を拡大していたが、新型コロナの感染拡大に伴う婚礼行事の中止・延期によって2021年8月期の年収入高は約12億9300万円にダウン、当期純損失も約2億3400万円となっていた。従前の設備投資に伴う借入金の返済が重荷となり、コロナ融資だけでは賄い切れなかったため、2023年5月に久留米市内の社有不動産を売却。2024年3月には現代表に交代するなどして再建を図っていた。その後は、新型コロナの収束もあり客足は回復し、2024年8月期の年収入高は約21億4200万円を計上していたものの、雑収入の計上額が大きく減少したため、当期純損失は約5億2700万円となり、債務超過額は約5億9800万円に拡大していた。こうしたなか、2025年2月に国の雇用調整助成金をだまし取ったとして元社長ら5人が逮捕されるなど対外的な信用が失墜。先行きの見通しも立たなくなり、同月25日には事業を停止していた。

 負債は債権者約1082名に対し約54億269万8813円。