「福岡」 既報、井上通商(株)(資本金1000万円、福岡市中央区草香江2-3-32、代表井上由郎氏)は、2月7日に福岡地裁へ自己破産を申請し、14日に破産手続き開始決定を受けた。
破産管財人は佐藤至弁護士(佐藤・林法律事務所、福岡市中央区大名2-4-22、電話092-712-6543)。財産状況報告集会期日は5月14日午後1時30分。
当社は、1961年(昭和36年)6月に設立された輸入販売業者。台湾や香港、中国といった東アジア地域から仕入れたカジュアル衣料などのアパレル製品や雑貨、日用品、食品などを国内の卸売業者に販売していたほか、「arbol」の屋号で一般個人向けに通信販売も手がけていた。東アジア地域の貿易ノウハウについては豊富な経験を有し、得意先のニーズに応じた海外調達、通関、物流面での輸入ビジネスに対するサポートが可能であるほか、輸出入業者として顧客の条件を満たす海外企業の選定や、各種輸出入手続き、貿易決済業務の代行などで安定した顧客基盤を築き、2020年1月期の年売上高は約123億5600万円を計上していた。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響などでアパレルショップが休業を余儀なくされ売り上げが減少していた。そのようななか、架空取引が発覚し訴訟トラブルとなったことで、主力得意先からの受注が大幅に落ち込み、2024年1月期の年売上高は約20億円までダウン。近時は、中小企業再生支援協議会(現:中小企業活性化協議会)の支援のもと所有不動産の売却などで立て直しを図っていたものの、業況の回復が見通せないことから、2025年2月7日までに事業を停止していた。
負債は債権者約156名に対し約41億7871万円。