「三重」 医療法人福慈会(資産の総額9608万2416円、名張市東町1901-1、理事長坂本長逸氏、従業員400名)は、2月5日に東京地裁へ自己破産を申請し、保全管理命令を受けた。
申請代理人は阿部信一郎弁護士(霞ヶ関国際法律事務所、東京都千代田区霞が関3-2-5、電話03-5157-1218)。保全管理人には野田聖子弁護士(永沢総合法律事務所、東京都中央区日本橋3-3-4、電話03-3273-1800)が選任されている。
当法人は1980年(昭和55年)9月に創業、90年(平成2年)1月に法人改組された医療施設運営業者。介護老人保健施設2カ所、胃腸科内科や小児科など診療所6院、精神科病院2院などを運営していた。三重県や静岡県のほか、埼玉県や東京都、千葉県、神奈川県、新潟県など関東地区にも拠点を設け、2024年3月期には年収入高約40億1000万円を計上していた。
しかし、近年、運営施設を相次ぎ開設させてきた一方で、過大な設備投資への負担や運営スタッフ確保に関わる人件費の上昇などで低収益を余儀なくされ、2期連続で赤字決算となっていた。年収入高を上回る過大な債務も負担となり資金繰りはひっ迫していた。
負債は約67億5000万円の見込みだが、今後変動する可能性がある。
なお、当法人が運営していた各医療施設は別の法人に譲渡を目指し、運営を継続している。