レポート井上通商株式会社

コロナ禍で売り上げ急減

2025/02/07
倒産速報

TDB企業コード:800169871 アパレル・日用品・雑貨などの各種商品卸 事業停止、事後処理を弁護士一任 負債40億円

井上通商 本社

「福岡」 井上通商(株)(資本金1000万円、福岡市中央区草香江2-3-32、代表井上由郎氏)は、2月7日までに事業を停止し、事後処理を管納啓文弁護士(弁護士法人みらい法律事務所、福岡市中央区警固1-12-11、電話092-781-4148)に一任した。

 当社は、1961年(昭和36年)6月に設立した輸入販売業者。台湾や香港、中国といった東アジア地域から仕入れたカジュアル衣料などのアパレル製品や雑貨、日用品、食品などを国内の卸売業者に販売していたほか、「arbol」の屋号で一般個人向けに通信販売も手がけていた。東アジア地域の貿易ノウハウについては豊富な経験を有し、得意先のニーズに応じた海外調達、通関、物流面での輸入ビジネスに対するサポートが可能であるほか、輸出入業者として顧客の条件を満たす海外企業の選定や、各種輸出入手続き、貿易決済業務の代行などで安定した顧客基盤を築き、2020年1月期の年売上高は約123億5600万円を計上していた。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響などでアパレルショップが休業を余儀なくされ売り上げが減少していた。そのようななか、架空取引が発覚し訴訟トラブルとなったことで、主力得意先からの受注が大幅に落ち込み、2024年1月期の年売上高は約20億円までダウン。近時は、中小企業再生支援協議会(現:中小企業活性化協議会)の支援のもと所有不動産の売却などで立て直しを図っていたものの、業況の回復が見通せないことから、今回の措置となった。

 負債は2024年1月期末時点で約40億円。