レポート川口鉄工株式会社

2001/07/18

TDB企業コード:420007082 静岡県清水市 プラスチック成型機製造 民事再生手続き開始を申請 負債48億円

「静岡」 川口鉄工(株)(資本金1億円、清水市袖師町895-2、代表川口豪康氏、従業員174人)は、7月17日に静岡地裁へ民事再生手続き開始を申請し、同日保全命令を受けた。

 負債は約48億円。

 申請代理人は佐藤久弁護士(静岡市馬場町124、電話054-252-1120)。
 当社は、1944年(昭和19年)8月に航空機部品の製造を目的に設立。57年(昭和32年)6月にはプラスチック成型機の製造を開始、62年2月には発泡ポリエチレン自動成型機(国産第1号)を発売、68年4月には低発泡射出成型機(国産第1号)を完成させるなど、プラスチック成型機(射出成型機)の大手専門メーカーとして成長してきた。国内販売のほか輸出も併行させ、ピーク時の85年3月期には年売上高約158億4800万円を計上していた。

 その後は、バブル経済の崩壊もあって市況が冷え込み、長期にわたり需要が伸び悩んでいたほか、大手兼業メーカーや工作機械メーカーなどからの新規参入により価格競争が激化、業績不振を強いられ、96年同期の年売上高は約73億2900万円にまで落ち込んでいた。その後は海外から大量受注を獲得したため、97年同期の年売上高は約84億6200万円にまで復調。リサイクル関連製品として発泡スチロール減容再生処理機を新たに商品化するなど、再建に向けた事業展開を進めていたが、99年同期は、国内外での極端な販売不振に見舞われ年売上高が約44億400万円にまで激減し、過去の設備投資に伴う年商以上の借り入れ負担が重荷となっていた。

 このため、人員の大幅削減や本社工場売却などの大掛かりなリストラ策を実施し財務改善に努めてきたが、2001年同期の年売上高は約49億8100万円にとどまり、4月以降は受注がさらに急減していた。