レポート株式会社エステート三和

2001/06/22

TDB企業コード:580912219 大阪府大阪市天王寺区 不動産賃貸 旧住専大口融資先 破産宣告受ける 負債114億6500万円

(株)エステート三和(資本金3000万円、大阪府大阪市天王寺区生玉前町5-28、登記面=大阪市生野区新今里1-16-6、村川義照社長、従業員4人)は、5月24日大阪地裁へ自己破産を申請していたが、6月1日同地裁より破産宣告を受けていたことが判明した。
破産管財人は佐藤和司弁護士(大阪市北区西天満2-8-5、電話06―6360-0500)。
同社は1973年(昭和48年)1月創業、1982年(昭和57年)3月に(株)三和工務店の商号で法人に改組された建築工事、及び不動産賃貸業者。建築工事を手掛ける一方、バブル期の不動産ブームに乗って、業容の急拡大を図り、大阪市天王寺区や中央区などを中心として、積極的に賃貸マンション、商業ビルを購入、不動産賃貸業務にも進出し、91年2月期には年収入高約43億5000万円を計上していた。
ピーク時には約20棟、660戸分の賃貸物件を保有していたが、不動産取得資金を金融機関や旧住専の総合住金、さらにはノンバンクからの多額の借入金で賄っていたことから、財務面は弱体化し、金利負担によって余裕のない資金繰りが続いていた。加えて、バブル崩壊による不動産価格の大幅な下落から不動産担保価値も下落、多額の金融債務が経営を圧迫していた。このため、95年5月には現商号に変更し、建築部門を分離する一方、所有物件の処分を進め経営の立て直しを図っていた。しかし、不動産市況低迷の長期化で物件の処分も思い通り進まず、テナント料収入も大きく減少したことから資金繰りはさらに悪化、今回の事態となった。
申請時の負債は約114億6500万円。