レポート

株式会社エヌ・ビー・ラボ

2017/04/05

TDB企業コード:201980163 神奈川県横浜市中区 サービス付き高齢者向け住宅の運営 破産手続き開始決定受ける 負債13億9700万円

「神奈川」 (株)エヌ・ビー・ラボ(資本金8600万円、横浜市中区桜木町1-101-1クロスゲート7階、代表池川一臣氏)は、2017年3月29日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は池内稚利弁護士(東京都港区赤坂4-7-15、光和総合法律事務所、電話03-5562-2528)。

 当社は、2006年(平成18年)11月に設立されたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の運営と、介護・医療事業における各種コンサルティングを手がける企業。全国で展開する小規模ローコスト型のサ高住「エルスリー」の運営を主力に、高齢者住宅の開業を目指す他事業者(建築会社、介護事業者、不動産管理会社など)に対する開設コンサルティングを行い、2015年9月期の年収入高は約33億円を計上していた。

 しかし、急激な施設数の増加に対して、施設を運営するための人材確保が追いつかず、採用コストが増大したほか、既存施設における人材引き留めのための人件費増加も重くのしかかり、大幅な赤字を強いられ、債務超過に転落していた。

 その後も人材確保はままならず、介護スタッフ不足により未稼働となった約30箇所の施設の経費が収益を圧迫するなか、2016年8月には当社が埼玉県狭山市で運営していた訪問介護事業所「ひまわり 埼玉西部」で介護報酬の不正請求が発覚。指定事業所の取消処分を受けたことで、対外的な信用が失墜し、新たな資金調達も事実上困難な状況に陥っていた。

 施設の新規開設を凍結するとともに、既存施設の売却で生き残りを図ろうとしたものの、抜本的な立て直しには至らず、先行きの見通しも立たないことから事業継続は困難と判断し、今回の措置となった。

 負債は債権者約1000名(労働債権含む)に対し約13億9700万円。

 なお、当社が運営していた114の施設は全て複数の企業が引き継いで運営されている。