レポート東京生命保険相互会社

2001/03/23

TDB企業コード:985491827 東京都千代田区 中堅の生命保険会社 更生特例法適用申請は3社目 更生特例法の適用を申請 負債9802億円

「東京」 中堅の生命保険会社、東京生命保険(相)(資産総額1兆150億1500万円、千代田区内幸町1-5-2、代表中村健一氏、従業員3358人)は、3月23日に東京地裁へ更生特例法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。事件番号は平成13年(ミ)1号。

 保全管理人は大橋正春弁護士(千代田区神田小川町1-7岡崎・大橋・前田法律事務所、電話03-5282-8615)。

 当社は、1895年(明治28年)に真宗信徒生命として創業、その後、野村生命保険会社となり、これを母体として、1947年(昭和22年)7月に東京生命保険として再発足した。国内保険会社では中堅に位置する野村・大和グループの生命保険会社として営業基盤を確立、2000年3月期の保有契約高は、個人保険6兆129億円、個人年金保険4556億円、団体保険6兆7370億円、団体年金保険2347億円となっていた。近時は終身保険プラン「ささえ」と年金プラン「やすらぎ」を主力に営業を展開し、ピーク時の89年3月期には年収入高約3254億7800万円を計上していた。

 バブル崩壊以降の低金利、株価低迷など運用環境の悪化で、過去に販売した高利回りの貯蓄性商品などが「逆ザヤ」となり体力が低下、また消費者の保険契約見直しなど生保選別が進むなか新規契約が伸び悩み、2000年同期の年収入高は約1697億2600万円にまで落ち込んでいた。この間、「新経営3ヵ年計画2・ニュースタート21計画」を策定、メーンバンクである大和銀行との連携強化を図り、関西方面の営業に注力するとともに代理店の開拓や通信販売など販売チャネルの充実に努める一方、希望退職制度の導入など従業員削減による事業費の圧縮を図るほか、自己資本の充実に努めていた。

 こうした施策も抜本的な経営改善には至らず、2000年10月には、千代田生命保険、協栄生命保険が相次いで倒産するなど業界環境が一層の厳しさを増したことで、保険契約の解約が増加。このため、今年1月には資本の増強を目指し大和銀行などに総額 300億円の基金の追加拠出を要請するとともに、外資系保険会社との提携交渉を急ぎ抜本的な立て直しを進めていたが交渉は不調に終り、債務超過額も約1150億円に達していたことからついに自主再建を断念、今回の措置に踏み切った。

 負債は、2000年9月中間で約9802億円(内訳:保険契約に基づく準備金以外の債務が約870億円、保険契約に基づく準備金が約8931億円)。

 なお、生命保険会社の更生特例法の申請は、千代田生命保険(相)(2000年10月、負債2兆9366億円)、協栄生命保険(株)(2000年10月、負債4兆5297億円)に次いで3社目の倒産となった。

 負債額では、日榮ファイナンス(株)(96年10月、負債1兆円)に次ぐ戦後6番目の大型倒産となった。