レポート株式会社太平洋クラブ

2012/09/28

TDB企業コード:985390781 東京都港区 ゴルフ場運営 続報、「御殿場コース」で有名な大手ゴルフ場運営 会員から会社更生法を申し立てられる

「東京」 既報、2012年1月23日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した(株)太平洋クラブ(資本金40億円、東京都港区芝浦1-12-3、代表桐明幸弘氏ほか1名)は、9月28日に債権者であるゴルフ会員有志から東京地裁へ会社更生法を申し立てられた。

 申請代理人は、西村國彦弁護士(千代田区内幸町1-1-7、電話03-5511-4400)ほか3名。

 (株)太平洋クラブは、1971年(昭和46年)5月に設立されたゴルフ場運営会社。設立以降、「札幌コース」(74年)、「軽井沢コース」(75年)、さらに77年には現在の『三井住友VISA太平洋マスターズ』が開催されることで有名な「御殿場コース」をオープン。92年3月期は年収入高約125億円を計上、同年には米国の名門ゴルフ場運営会社であるぺブルビーチ社を買収(99年に売却)して話題を呼ぶなど、高い知名度を有していた。

 しかし一方では、それまでの土地買収を含めた設備投資に伴う金融債務が巨額にのぼり、一部施設を売却するなど紆余曲折を経てきた。バブル崩壊後は、法人客の減少、客単価の下落など、ゴルフ事業を取り巻く環境が厳しさを増していた。こうしたなか、2007年には大手不動産会社と提携して生き残りを図るほか、2010年4月には会社分割により(株)太平洋アリエスを設立、「御殿場コース」など5コースを譲渡していた。

 しかし、預託金の償還を控え、資金不足になることが見込まれることから1月23日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請(申請時の負債1260億円)。スポンサーには、東証1部の(株)アコーディア・ゴルフ(東京都港区)が名乗りを挙げていた。

 その後、2012年7月に再生計画案を東京地裁に提出していたが、一部会員が会社側の再生計画案に反対。会員主導による更生手続きによる再建を目指すべく、今回の申し立てとなった。