レポート

エーアイエス株式会社

2010/11/30

TDB企業コード:110180184 青森県上北郡 液晶パネル用カラーフィルター製造 円高関連倒産 自己破産を申請 負債57億7300万円

「青森」 エーアイエス(株)(資本金2億5665万円、上北郡六ヶ所村尾駮弥栄平115-4、代表花田俊郎氏、従業員208名)は、11月29日に事業を停止、青森地裁へ自己破産を申請した。

 申請代理人は綾克己弁護士(東京都千代田区内幸町1-2-2、電話03-3596-0260)ほか3名。

 当社は、2000年(平成12年)9月にアンデス電気(株)が中心となり、アルプス電気(株)、カシオ計算機(株)、セイコーインスツル(株)、(株)アンデスインテック、日立化成工業(株)などの各社が出資して設立された。青森県が液晶関連産業の集積を目指した「クリスタルバレイ構想」の誘致企業として六ヶ所村に進出、2001年7月より操業を開始した。

 フラットパネルディスプレイ用カラーフィルターの製造を主体に、製品はアンデス電気(株)を通して出資者である液晶パネルメーカーを中心に、国内5社、海外4社に納入し、近年のピーク時となる2005年3月期には約125億7000万円の年売上高を計上していた。

 しかし、リーマン・ショックを端緒とする世界的な景気低迷を受けて受注が急速に落ち込んだことに加え、2009年1月にアンデス電気(株)が民事再生法の適用を申請したことで業況が悪化した。同社の民事再生手続き以降は自社での受注、製造、販売に切り替えたが、直近期の2010年3月期は年売上高約32億2400万円まで減少し、当期純損益は約13億9800万円の損失計上を余儀なくされていた。

 アンデス電気(株)への債務保証や多額の損失計上により資金繰りも悪化。所有不動産の売却や関係先への支援要請、金融機関への返済猶予を要請し、元本棚上げなどを行ったものの、抜本的な改善には至らず、円高の影響もあって受注量が落ち込み、今回の措置となった。

 2010年10月末時点での負債は約57億7300万円。