レポート株式会社ナガサキヤ

2001/01/09

TDB企業コード:500017558 京都府京都市中京区 老舗の高級洋菓子メーカー 元大証2部・京証上場 破産宣告受ける 負債122億5100万円

元大証2部・京証上場の高級洋菓子メーカーで、2000年7月9日に京都地裁へ会社更生法の適用を申請していた(株)ナガサキヤ(資本金10億6614万978円、京都府京都市中京区河原町通夷川上る指物町328、保全管理人崎間昌一郎氏)は、12月15日に会社更生法を取り下げ自己破産を申請、同日破産宣告を受けていたことがこの程判明した。
 破産管財人は崎間昌一郎弁護士(京都市中京区河原町通二条下る河原町二条ビル5階、電話075-256-2560)。
 同社は、1924年(大正13年)9月に「長崎屋」の屋号で創業され、42年(昭和17年)11月の法人化後、45年9月にナガサキヤ糧食工業(株)から現商号へ変更した。62年6月に京都証券取引所へ、63年10月には大証2部へそれぞれ上場を果たしていた。チョコレート・キャンディー、バウムクーヘン、カステラなどを中心に取り扱う老舗の高級洋菓子メーカーで、菓子問屋を通じて全国の百貨店やスーパー、コンビニエンスストアなどへ販売するほか、直営店および喫茶店での小売もおこない、91年9月期には年売上高約164億7000万円を計上していた。
しかし、長引く不況による法人需要の低迷や消費者の嗜好の変化などから99年同期には年売上高が約86億6500万円まで低迷していた。この間、98年には再建計画を策定し経営改善に努めていたものの、95年同期以降5期連続の当期損失計上を余儀なくされ、同期末の債務超過額は約26億4800万円にまで膨張、2000年同期で上場廃止となる恐れが生じていた。このため、リストラに注力する一方、新商品開発や新規開拓を進め売り上げの回復に努めてきたが、同年8月の社債償還(約5億円)を控え取引金融機関の融資体制の足並みが揃わなかったことから、自主再建を断念、7月9日に会社更生法を申請していた。
その後、事業管財人との交渉を進めてきたが、不調に終わり早晩資金ショートを来すことが確実な情勢となったことから、10月31日付で全従業員(正社員267人ほか)を解雇し、全店舗の営業を停止、破産の準備に入っていた。 
 負債は更生法申請時点で約122億5100万円(更生担保権債務87億9100万円、優先的更生債務19億400万円、一般更生債務14億6600万円、共益債務9000万円)。
なお、会社更生法から破産に移行したケースは、近年では三洋証券(株)(97年11月に会社更生法を申請→99年12月に申立を棄却され破産宣告、申請時負債約3736億円)の例がある。