レポート株式会社SKSシステムなど2社

2010/01/27

TDB企業コード:580891351 大阪府大阪市北区 「弁天」など居酒屋経営 【続報】 破産手続き開始決定受ける 負債148億5600万円

「大阪・東京」 既報、(株)SKSシステム(資本金9000万円、大阪市北区太融寺町8-17、代表須﨑勲氏、従業員128名)と子会社の(有)オークラ・フード・サービス(資本金2000万円、中央区銀座8-10-7、代表大倉良夫氏、従業員56名)は12月31日付で事業を停止し、1月12日に大阪地裁へ自己破産を申請していたが、1月15日に同地裁より破産手続き開始決定受けていたことが判明した。

 破産管財人は共に東野修次弁護士(大阪市北区西天満2-9-14、電話06-6364-0415)。

 (株)SKSシステムは、1960年(昭和35年)6月創業、79年(昭和54年)5月に大倉実業(株)として法人改組した飲食店経営業者。居酒屋「弁天」などの店舗名で90年代に高い人気を誇った飲食店を多店舗展開し、大阪・キタやミナミの繁華街を中心に、かつては東京や福岡など他地域にも進出。ピーク時にはおよそ300人(パート約600人)の従業員を抱え、全国に40店舗以上を展開。99年9月期には年売上高約60億5000万円をあげていた。

 しかしその後は、新興企業や専門店の台頭、価格競争の激化に伴い集客力は落ち込み、2008年3月期(決算期変更)の年売上高は約39億1000万円まで低迷。また、多数の自社ビル取得に伴う金融債務約180億円、関連会社に対する多額の貸付金の固定化などが負担となり、財務内容は大幅に悪化していた。こうした状況から、取引銀行の貸出債権の大半が整理回収機構や外資系投資会社などに売却されたほか、近年は債権者による仮差押や競売開始決定も相次いでいた。

 優先株発行による増資を実施する一方、外資系企業などと抜本的な再建に向け協議を続けてきたが、2009年10月に社名を現商号に変更し、9店舗を残して営業店舗の大半を別会社3社に譲渡した上で今回の措置となった。

 (有)オークラ・フード・サービスは、1990年(平成2年)9月に、(株)SKSシステム(当時の大倉実業)の出資により設立。主に東京地区でふぐ料理店、おでん店ほか8店舗を運営し、2002年7月期には年売上高約18億円をあげていた。

 しかしその後は、新興企業の台頭や消費不振の影響で各店舗とも売上げが低迷。グループ全体で店舗のスクラップ&ビルドに着手したものの追いつかず、業績は大幅に悪化。再建に向けグループ再編を進めたものの、親会社の経営難に連鎖するかたちとなった。

 負債は、(株)SKSシステムが約84億2000万円、(有)オークラ・フード・サービスが保証債務約44億1500万円を含む約64億3600万円で、2社合計で約148億5600万円。