レポート株式会社SKSシステム(旧商号:大倉実業株式会社)

2010/01/06

TDB企業コード:580891351 大阪府大阪市北区 「弁天」など飲食店経営 事業停止、自己破産申請へ 負債83億円

「大阪」  (株)SKSシステム(資本金9000万円、大阪市北区太融寺町8-17、代表須﨑勲氏、従業員128名)は、12月31日付で事業を停止し、事後処理を川崎伸男弁護士(大阪市北区西天満4-4-13、電話06-6364-4114)ほか2名に一任した。現在、自己破産申請の準備中。

 当社は、1960年(昭和35年)6月創業、79年(昭和54年)5月に大倉実業(株)として法人改組した飲食店経営業者。居酒屋「弁天」などの店舗名で90年代に高い人気を誇った飲食店を多店舗展開する企業で、大阪・キタやミナミの繁華街を中心に、かつては東京や福岡など他地域にも進出。ピーク時にはおよそ300人(パート約600人)の従業員を抱えるなど全国で一時40店舗以上をオープンするなど、99年9月期には年売上高約60億5000万円を計上していた。

 和食店、寿司屋、焼肉店など新たな店舗形態の開発に積極的に取組むことで業容を拡大させたが、その後は新興企業や専門店の台頭、価格競争の激化に伴い集客力は落ち込み、2008年3月期(2006年に決算期変更)の年売上高は約39億1000万円まで減少していた。また、多数の自社ビル取得に伴う金融債務約180億円、関連会社に対する多額の貸付金の固定化などが負担となり、財務内容は大幅に悪化していた。こうした状況から、取引銀行の貸出債権の大半が整理回収機構(RCC)や外資系投資会社などに売却されたほか、近年は債権者による仮差押や競売開始決定も相次いでいた。

 こうしたなか、優先株発行による増資を実施する一方、外資系企業などと抜本的な再建に向け協議を続けてきたが、2009年10月に社名を現商号に変更し、9店舗を残して営業店舗の大半を別会社3社に譲渡した上で今回の措置となった。

 負債は金融債務を中心に約83億円。

 なお、譲渡した店舗については通常通り営業している。