レポート株式会社上野百貨店

2000/12/21

TDB企業コード:240021646 栃木県宇都宮市 地場老舗百貨店 自己破産を申請 負債180億円

地場老舗百貨店の(株)上野百貨店(資本金9600万円、栃木県宇都宮市馬場通り4-1-13、上野真之助社長、従業員174人)は、12月20日に宇都宮地裁へ自己破産を申請した。
 申請代理人は新江進弁護士(宇都宮市西一の沢町1-5、電話028-635-8433)。
 同社は、1881年(明治14年)6月に創業、1945年(昭和20年)9月に法人改組した。地元の老舗百貨店として、中高年層を中心とした品揃えの高級品指向で営業を展開、ピーク時となる82年8月期には年売上高約144億4700万円を計上していた。88年には、矢板、鹿沼、黒磯にギフトセンターをオープンさせたほか、以降も物流センターを開設するなど積極的に設備投資を行ない、業容の拡大に努めていた。
 しかし、近時は景気低迷にともなう個人消費の落ち込み、競争の激化から業績はジリ貧、96年同期の年売上高は約90億700万円にまで落ち込んでいた。96年には本館を閉館し、パソコンショップをオープンさせるほか、新館をリニューアルオープンしていた。さらに、99年には約60億円を投資し大田原店をオープン、2000年同期の年売上高は約103億8400万円を計上していたが、設備投資にともなう借入負担や経費増から約11億8900万円の当期損失となり、3期連続欠損から47億円を超える累損を抱えていた。
 この間、ギフトセンターを閉鎖するなどリストラに着手、今年8月には新館を閉鎖し、同店舗不動産の売却を計画したものの不調に終わっていた。金融機関の支援も限界に達したことでついに事業継続を断念、今回の措置となった。
 負債は約180億円。