レポート

株式会社メトロポリタン

2009/06/03

TDB企業コード:984328734 東京都中央区 旅行業 新型インフルエンザ関連倒産 事業停止、自己破産申請へ 負債7億7000万円

「東京」 (株)メトロポリタン(資本金9800万円、中央区日本橋茅場町1-6-3、登記面=台東区下谷2-12-5、代表石川保雄氏)は、5月20日に事業を停止し、事後処理を濱田慶信弁護士(神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1、電話045-650-8211)に一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、1982年(昭和57年)3月に(株)東洋マーケティングとして設立。90年ごろ休眠状態となり、99年より営業を再開、前年の98年に現商号に変更していた。国際航空券や地上手配、これらを複合したユニット商品を旅行業者へ販売し、フィリピン、ベトナム、カンボジアなど東南アジア方面を主力に展開し、東京、大阪、名古屋に営業拠点を有していた。インターネットを利用した予約システムによる顧客の増加から、2007年3月期の年売上高は約17億6500万円を計上、翌2008年3月期も大型の団体旅行の受注を獲得するなどして年売上高は約30億500万円を計上していた。

 しかし、2008年秋の急激な景気後退により業績が低迷、金融機関の融資体制も厳しくなっていた。2009年に入り業績がさらに落ち込むなか、大口の不良債権が発生、資金繰りはひっ迫していた。このため、事務所家賃や人件費などの削減を行い業況の回復を図っていたが、大手旅行会社がフィリピンに参入したことで現地法人の売り上げは減少していた。

 こうしたなか、4月に発生した新型インフルエンザの発生により、予約のキャンセルが相次ぎ翌月の売り上げがほぼゼロとなり、5月20日期限の国際航空券の支払いが遅れ、決済システムの利用が出来なくなっていた。同業者に信用不安が広がるなか、6月以降の予約もすべてキャンセルとなるなど先行きの見通しが立たず、今回の措置となった。

 負債は約7億7000万円。